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神社の階段にぽつんと座っていた着物を着ている少女を見かけたS。
気になったので話しかけてみた。
「ご両親はどうされたのですか?」
「どこかにぶつかりましたか?」
「これからどうするつもりですか?」
少女の答えを聞いて、Sは涙を流した。
Sは何故涙を流したのだろうか。
分かりづらい点があったらごめんなさい...どうかお手柔らかに
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Sは霊能力者だった。
ある日神社に行くと今は祭りなんて無いのに着物を着て、1人座っている少女を見かけた。
親とはぐれたのかと思い、
「ご両親はどうされたのですか?」
と聞くと、
「今日も多分家にいると思う。今日は親戚も来るんだっけか?」
まるでしばらく両親を見ていない言い方でSは若干違和感を抱いた。それだけじゃない。よくよく見れば彼女は怪我だらけであった。着物で見えない部分が多いが、手は打撲だらけで首にも傷痕が色濃く残っていた。
ーーあぁ、もしかしてこの子は。
感づいたSは
「どこかにぶつかりましたか?」
と聞いた。すると
「あぁ、これ?1週間前に、ね」
違和感が確信に変わった瞬間だった。
1週間前、こんなニュースが流れていた。
『今日未明、〇〇市の△△神社付近の道路でトラックによる交通事故が発生。被害にあった〇〇ちゃん11歳が死亡、遺族の方は...』
確かその日はお祭りがあった日。彼女があの交通事故の被害者で、霊になって神社に現れたのなら納得がいく。
今日は彼女にとっての初七日。だから親戚も来ると言っていたのか。
そして、最後は純粋に気になる事だった。復讐を考えてないのかとかの期待もあったかもしれないが。
「これからどうするつもりですか?」
少女は優しく、そして寂しげに笑った。
「両親に会いに行くよ。それでありがとうって、いきなり死んでごめんねって伝えるの。聞こえないと思うけど、気づいたら泣く程喜ぶよ、きっと。
......話しかけてくれて、ありがと」
それだけ言うと少女は、神社の階段を楽しそうに駆け下りて、消えていった。
Sはその場に立ち尽くして、静かに泣いた。通行人が「どうかしましたか?」と聞いてきたが、答えずに泣き続けた。
今度、花を添えてあげよう。あの優しい少女に。
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