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お菓子の試食を初めて断られたカメコは、それならばとお菓子を綺麗にラッピングすることにした。
カメコはとある理由から試食を望んでいたのだが
その理由とはいったいなんだろうか?
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解答
バレンタイン前日、密かに想いを寄せている幼馴染みのカメオに、試食と銘打って自分の作ったチョコレートを食べてもらいたかったため。
解説
「ねぇ、今年もチョコ作り付き合ってよ!」
カメコとカメオは幼馴染み。カメコは毎年バレンタインの前日になると、お菓子作りが得意なカメオと一緒にチョコを作るのが恒例になっていた。
「また今年もとーさんとじーちゃんにあげるだけ~、か?」
「こ、今年は部活の先輩に渡すもん!」
カメコは頬を膨らませた。
本当は、ずっとカメオにチョコレートを渡したかった。
けれど、昔から兄妹みたいに仲のいいカメオとの関係が告白をすることで壊れてしまうのが怖い……。
カメコは自分の気持ちを隠しながら、それでもカメオにチョコを渡したくて、一緒に作るというていで毎年2月13日をカメオと一緒に過ごした。
「はい、食べてみて!おいしい?」
出来上がったばかりの、ラッピングも何もしていない状態のチョコを一番に『試食』してもらう。
それがカメコの精一杯だった。
「うん、旨いよ。俺が教えてるんだから当たり前だけど」
そんなカメコの想いには気づかず、カメオは満足げに笑うのだ。
そんな恒例行事が終わりを迎えたのは、中学3年のバレンタイン直前だった。
「カメオ。今年のバレンタイン、どんなチョコがいいかなぁ?今年は塾の先生にも渡そうと思ってるんだけどさ」
「あー……それな。俺、今年は一緒に作れない」
「……え?な、なんで?」
「実は、彼女できたんだよね」
頭の中で鈍い音がした。
一瞬で世界の色が消えてしまったみたいだ。
「別に今まで通り普通に喋ったりはするけどさ、家で一緒にチョコ作ったりとかはさすがに彼女に誤解されかねないし、ケジメつけようかなって」
--そっか。うん、それなら仕方ないよね。いいよ、わかった。
今まで教えてもらったこと思い出して、一人で美味しいチョコ作ってみせるよ。
試食……は、お父さんに頼もうかなぁ。あはは。
私は、ちゃんと笑えていただろうか。
カメコはバレンタイン前日、ひとりでチョコを作った。
もう教えてもらうことなんて何もない。毎年毎年、一緒にチョコを作ってきたんだから。
今年は、一番に食べてもらえないなぁ。いや、一番どころか、食べてもらうことすら叶わないか。
……それなら、いっそ。
カメコは出来上がったチョコを、丁寧に丁寧にラッピングした。
これは特別、そんな想いを込めて。
翌日。
「カメオ!おはよ。あ、あのさ……」
カメコは登校中のカメオの姿を見るなり慌てて駆け寄った。
そして後ろ手に持ったチョコレートを勢いよくカメオへと差し出す。
答えの分かりきった告白をするために。
ずっと本命の『試食』だったんだよと、伝えるために。
FA条件
①お菓子を試食してもらうのは、カメコが片想い中の相手(カメオ)であること
②バレンタインに本命チョコとして渡す勇気がなかったために、『試食』と言って食べてもらっていたこと
③試食を断られたのはカメオに彼女ができたから。それによってカメコは自分の気持ちを伝える決心をし、チョコにラッピングをしたということ
トリック:1票物語:3票