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亀子と海子は、それぞれの席に座し、静かにその時を待っている。
その時とは、隣に座した相手が腰を上げるその瞬間である。
額に汗を浮かべ、歯を食いしばり、長い時を二人はただただ耐え続ける。
いずれ訪れるその時を迎えるまで、断じて席は立たないと、心に硬く誓いながら……。
状況を説明せよ。
トリック部分は、ネットで見かけた小説を参考にアレンジしました。
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高校の授業を受け終えて下校中の亀子は、突如として強力な尿意に見舞われる。
授業中ずっと我慢していたのを、今になって思い出したのだ。
慌てて駆け込んだ公園のトイレ。しかし婦人用トイレはいずれも故障中で立ち入り禁止。
最早選択肢はない。紳士用のトイレに駆け込んだ。
幸運にも他に人はおらず、亀子は無事に個室に入り、用を足すことが出来た。
これまで自分を強く苦しめていた物が体外へと流れだす快感。たまらない。
しかしその時、何者かの足音が亀子の耳朶を打つ。誰かが紳士用トイレに入って来たのだ。
隣の個室に入っていく足音を聞き終えて、亀子は思わず舌打ちをする。
万が一にもその人物と鉢合わせてはならない。紳士用トイレで用を足したところを見られる等乙女の恥だからだ。
万全を期すためには、隣に入った人物が出ていくまで、安全なこの個室で待っているべきだろう。
そう判断した亀子は、便座に腰掛けて静かに時を待った。
婦人用トイレが故障中で、止むを得ず紳士用トイレで用を足した海子は、隣の個室から舌打ちの音がするのに気付いた。
どうやら隣の個室には人がいるらしい。激しい尿意に見舞われていて平静を失っていた所為か、今の今まで気付かなかった。
万が一にもその人物と鉢合わせてはならない。紳士用トイレで用を足したところを見られる等乙女の恥だからだ。
万全を期すためには、隣に入った人物が出ていくまで、安全なこの個室で待っているべきだろう。
そう判断した海子は、便座に腰掛けて静かに時を待った。
亀子と海子は、それぞれの席に座し、静かにその時を待っている。
その時とは、隣に座した相手が腰を上げるその瞬間である。
額に汗を浮かべ、歯を食いしばり、長い時を二人はただただ耐え続ける。
いずれ訪れるその時を迎えるまで、断じて席は立たないと、心に硬く誓いながら……。
静かなる持久戦は今も続いている。
物語:2票納得:2票