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 亀子と海子は、それぞれの席に座し、静かにその時を待っている。
 その時とは、隣に座した相手が腰を上げるその瞬間である。
 額に汗を浮かべ、歯を食いしばり、長い時を二人はただただ耐え続ける。
 いずれ訪れるその時を迎えるまで、断じて席は立たないと、心に硬く誓いながら……。

 状況を説明せよ。
[粘膜王女三世]

【ウミガメ】19年09月02日 23:52

トリック部分は、ネットで見かけた小説を参考にアレンジしました。

解説を見る
 高校の授業を受け終えて下校中の亀子は、突如として強力な尿意に見舞われる。
 授業中ずっと我慢していたのを、今になって思い出したのだ。
 慌てて駆け込んだ公園のトイレ。しかし婦人用トイレはいずれも故障中で立ち入り禁止。
 最早選択肢はない。紳士用のトイレに駆け込んだ。
 幸運にも他に人はおらず、亀子は無事に個室に入り、用を足すことが出来た。
 これまで自分を強く苦しめていた物が体外へと流れだす快感。たまらない。
 しかしその時、何者かの足音が亀子の耳朶を打つ。誰かが紳士用トイレに入って来たのだ。
 隣の個室に入っていく足音を聞き終えて、亀子は思わず舌打ちをする。
 万が一にもその人物と鉢合わせてはならない。紳士用トイレで用を足したところを見られる等乙女の恥だからだ。
 万全を期すためには、隣に入った人物が出ていくまで、安全なこの個室で待っているべきだろう。
 そう判断した亀子は、便座に腰掛けて静かに時を待った。

 婦人用トイレが故障中で、止むを得ず紳士用トイレで用を足した海子は、隣の個室から舌打ちの音がするのに気付いた。
 どうやら隣の個室には人がいるらしい。激しい尿意に見舞われていて平静を失っていた所為か、今の今まで気付かなかった。
 万が一にもその人物と鉢合わせてはならない。紳士用トイレで用を足したところを見られる等乙女の恥だからだ。
 万全を期すためには、隣に入った人物が出ていくまで、安全なこの個室で待っているべきだろう。
 そう判断した海子は、便座に腰掛けて静かに時を待った。

 亀子と海子は、それぞれの席に座し、静かにその時を待っている。
 その時とは、隣に座した相手が腰を上げるその瞬間である。
 額に汗を浮かべ、歯を食いしばり、長い時を二人はただただ耐え続ける。
 いずれ訪れるその時を迎えるまで、断じて席は立たないと、心に硬く誓いながら……。

 静かなる持久戦は今も続いている。
物語:2票納得:2票
全体評価で良質部門
トリック部門
物語部門
てんぱ>>コメントなし
すなふきん>>コメントなし
納得部門
てんぱ>>コメントなし
みづ>>コメントなし