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これは図書館の司書から聞いた話です。

司書が勤める図書館には数日に一度、ある男が来ます。
その男はいつも同じ本を読んでいるそうです。数日に一度の、それも数十分だけ。
司書はある日、男に声をかけました。
「いつも同じ本を読んでいますね」
「なかなか読み終わらないのですよ」
「本を借りれば、ここに来なくても好きな時に読めますよ」
「それもそうですね。けれど、ここに来て読むのがいいんです」
そういうこともあるか、と司書は納得しました。
数日後、男はまた図書館に来ました。
今度は別の本を読んでいます。
その本は棚の隅に置かれている目立たない本でしたが、ここ最近なぜか手に取られる回数が増えているものでした。
そういえば前に男が読んでいた本も、男ほどちゃんと読んでいないにしろ、突然他の人もよく開くようになった本でした。
不思議に思った司書は、男が帰ったあとその本を調べてみましたが、特に変わったところは見られませんでした。
司書は次に男が来た時に何か聞いてみようとしましたが、男が来ることも、その本が読まれることも、その後ありませんでした。
[CO2]

【ウミガメ】19年08月07日 12:00

なぜ男は来なくなったのでしょうか?

解説を見る
男は殺し屋でした。「図書館の特定の本にメッセージを書いたメモ用紙を挟んでおく」というのが男への依頼方法で、それを確認するために男は図書館へ通っていたのです。
男は他人に依頼のやり取りを知られないために、誰も読まないような本を「特定の本」として選んでいました。よってその本は依頼主に手に取られるようになり、傍から見ると突然人気が出たように見えるのです。
ある日司書に話かけられたことにより、男は念の為に使う本を変えます。
しかしそれも司書が念入りに調べていたことを知ります。メモ用紙は回収しているのでその時は大丈夫でしたが、危険に思った男は依頼を受ける場所を変えました。よって彼が図書館に通うことはなくなり、依頼のために本が手に取られることもなくなったのです。
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