「おいおい、太郎さんよぉ。」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
「…何やってんの?」
服を掴みながら、りんごちゃんがそう声をかける。
相手は彼女の私物を許可なく持っている茂木 太郎。
一通り太郎の説明を聞く。
「…これで何回目?」
りんごちゃんは図書館にいるいちごちゃんのことを思い出し、起こすことに決めた。
状況を説明してください。
「起こすことに決めた」→「彼女を起こすことにした。」でお願いします。日本語が変だ…。
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台風が近づいてくる。
朝のニュースでそんなことを言っていたのは覚えている。
その結果、強風。
今日の風は本気度が半端じゃない。
「だからって、こりゃあねぇだろ…。」
今、茂木 太郎がいるのは学校の駐輪場。
そこには、全て横倒しになっている自転車の山が置いてあった。
(…俺の自転車は一番下、一台ずつ起こしていくしかねぇか。クッソ自転車登校のやつ多すぎだろ、何台あんだよ。)
……十数分後。
「よし、やっと終わったぁ…」
多くの自転車を一台ずつ立てていき、やっと自分の自転車に辿り着く。
ゆっくりと自転車を取り出して跨る。
その時、強風がやってきた。
「よっ…と、、あぁ!!!」
カツン、
初めに聞こえたのは小さな音。その直後に、
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ………
ドミノのように起こした自転車が全て倒れていく。
「…マジかよ。」
嘆息。強風でよろめいた自身の足が隣の自転車を少し掠めた。
たったそれだけだが、起こったことへの罪悪感は生半可なものではなかった。
「クッソ!もう1回やりゃあいいんだろ!!」
そして、茂木 太郎は自転車を立てる。十数分おきに、
「またかよ!!ふざけんなよ!」
と叫びながら……。
「…で、これは何回目なの?」
「…六回目」
強風で靡く短い髪。スカートが捲れないように片手で押さえつけている。彼に話しかけているのはクラスの美少女、りんごちゃんだ。
初め見つかった時に、
彼女の自転車を持ち上げていたせいか、
なんか怒っているの気がする。
どうにかして、自分が彼女の物に手を出した変態ではないことを弁明しなければ…。
…下心が全くなかったわけでもないが。不可抗力だ、うん。
「もう、しょうがないわね。」
「え?」
「たしかいちごが、すぐそこの図書館で寝てるから、とりあえず呼んでくるね。さっさと全部立てるよ。一人よりも三人でやった方が早いとは思うし。ホンットに学習しないんだから。」
そう言って怒る彼女。怒ってる姿も可愛い、じゃなくて。怒ってたというより、俺のバカさに呆れてたのか…。というか、いちごちゃんは図書館で何してんの…。
でも、助かることには助かる。
「ありがとう!!お礼に駅前のクレープ買ってあげるよ!」
「え、ホントに?じゃあ新味のやつで!いちごの分もね!」
「りんごちゃん!?新味のやつ、って、たしかブランドとのコラボかなんかですごい高いやつじゃ…?あ、ちょっとどこ行くの?」
「図書館って言ったでしょー!」
「なるほど、図書館か。じゃなくて、いや、ちょっと待って!!せめて一人分にして!」
太郎の叫びは、まだしばらく響きそうです。
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