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らてらて村に伝わるパンドラのカメと呼ばれる、亀の甲羅の形をした箱があった。
村外れの祠にあるその箱の中には金銀財宝が詰まっているが、災いも同封されており、一度開けてしまえばその人に災厄が訪れてしまうという言い伝えが長年伝われてきた。
箱には鍵がかかっており、村の人々は伝説もあってわざわざ確認しようとしなかった。
ところが、ある日その伝説を聞いた冒険家であるラテ・ラール氏が村を訪れ、ピッキングを使いその箱を開けてしまった。
彼が箱を開けてから約一年後、らてらて村で死傷者が十数名出てしまった。
一体何故?
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らてらて村に伝わる伝説。
村外れの祠の中にある亀の甲羅を型どった箱には金銀財宝が詰まっていると。
しかし同時に災いも詰まっており、箱を開けるとそれが外に出て開けた人にとり憑いてしまうとも。
村の人間はこの伝説を聞き、ある者は
「そんな伝説があるなんて・・・箱を開けるのは止めよう」
ある者は
「こんなチンケな村に財宝なんてあるわけないだろ?」
ある者は
「祠って村の外れにあるんだろ?確認するのもめんどくさいよ」
ある者は祠に行き
「箱はあったけど鍵がかかってるみたいだね。わざわざ開けるのも面倒だし・・・」
と何だかんだあってその箱を放置していた。
ある日、奇妙な人物が村を訪れた。
ラテ・ラールと名乗り冒険家を自称するその男は、
「村のとある祠に亀の甲羅の形をした箱はないか?」
と尋ねた。
人々がそこに案内すると、
「鍵がかかってるみたいだが、これを開けてしまってもいいか?」
と言った。
「止めろ!それには災いが封じられてるんだぞ!」
「開けた人に災厄が降りかかってしまう!」
「なんでわざわざ開けようとするの?」
「てかそれ開くの?鍵ないよ?」
と村の人々は口々に止めたが、
「災いなんて大袈裟。そういった言い伝えがあるところに長年足を運び続けたが、俺は健康そのものだ」
「箱の中は重く、財宝や何かが入っててもおかしくない。お金が手に入ったら村にも分け与える」
「この程度なら多少のピッキング技術があれば問題なく開けることができる」
と聞き入れなかった。
最終的に
「そこまで言うなら仕方がない。何があっても我々は一切責任を取らない。気味が悪いから中に何があっても分け与えないでくれ」
と折れた。
その後、箱を開けたラテ・ラール氏は箱の中身を持ち帰り、それが太古の財宝だったたと報道され、彼は一躍有名になった。
しかし村の人々は心のどこかで思っていた。あの箱を開けてしまったんだ。彼は近いうちにーー
一ヶ月後、テレビにて
「ラテ・ラール氏が発見した財宝が、鎌倉時代のものだということが調査により判明しました」
「タートル大学のスカラベ教授によると、これは歴史的にも金銭的にも極めて価値が高いとのことです」
「この調査を受けてラテ・ラール氏は『マジ卍』とコメントしています」
三ヶ月後、テレビにて
「ラテ・ラール氏がまた快挙です」
「アフリカの森を探検し、その途中で既に絶滅したとされる鳥の羽毛を発見しました」
「この結果を受けてラテ・ラール氏は『マジ卍』とコメントしています」
半年後、テレビにて
「南極大陸横断に挑戦しているラテ・ラール氏ですが、道中でマンモスの死骸を発見したとのことです」
「ほとんどが白骨化してるが、一部は毛皮や肉が残っているとのことです」
「この発見を受けてラテ・ラール氏は『マジ卍』とコメントしています」
一年後、テレビにて
「ラテ・ラール氏がエベレスト登頂を達成しました」
「一時期天候が悪化し途中リタイアも考えられましたが、無事に登りきれました」
「登頂に成功したラテ・ラール氏は『マジ卍』とコメントしています」
「おいおい、災いが降りかかるどころかめちゃくちゃ元気じゃないか」
「あの伝説は嘘だったんだ」
「全部が嘘ではないぞ、財宝は実在した」
「あれがあれば村の財政ももう少しマシになったし、裕福な暮らしが出来たかもしれない」
「呪いの噂はお前の先祖が言い伝えていたよな」
「先祖のことなんか知らねえよ。財宝を分けてもらえば良かったんだ」
「財宝を分けるとあの人も言ってただろ?」
「呪いの伝説があったから断ったんだ!伝説がなければ・・・」
「なんだと!お前が断らなければ良かったんだ!」
伝説のうち呪いは嘘だと分かり、財宝は本当だと分かった。
大金を逃した村の人々は、互いを罵倒しあい、いつしかそれが発展し事件にまでなってしまった。
皮肉なことに、呪いの伝説そのものが村にとっての呪いになってしまったのだった。
簡易解説
パンドラの箱には実際に財宝があったが、村の人々はある者は呪いを恐れてある者は財宝が存在しないと思い、誰も手を出さなかった。
冒険家が開けてからいくら経ってもその冒険家が災厄を受けないため呪いは嘘だと分かり、呪いの噂を言ったのは誰だ!こんなことで宝を無駄にして!と口論になった結果、殺人事件に発展した。
呪いの噂そのものが呪いになってしまったというオチ。
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