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女は会ったこともない男にいきなり話しかけ、そして泣き始めた。
一体なぜ?
[ミンタカ]

【ウミガメ】19年02月11日 21:31
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要約

女は自分が飼っていたが、地震が起きてから行方不明になっていた猫が男に抱かれているのを見つけ、猫が生きていたことを喜んで泣いた。

私と夫は幼馴染だった。私も夫も動物が好きで、よく動物について話していた。
いつしか互いを理解していき、好きになっていった。

夫と結婚したのは5年前のことだ。

結婚して半年、夫は猫を飼おうと言い出した。
「なんで猫なの?猫アレルギーあるのに…」
「猫がいいんだよ。なんでと言われると答えにくいけど…」私も猫は好きだった。

結局1週間後にペットショップに行った。
私たちは全身真っ黒で、なぜか足だけが真っ白な猫に惹かれた。ある意味一目惚れだ。
私たちはその猫を飼うことにした。

そして幸せな日々が続いた。

そんな日々がいつまでも続くと思ったのに…


「キャーー!」
私の悲鳴で夫が飛び上がった。
窓の外に見えたのは、いつもの穏やかな港ではなかった。まるで生き物のように、波が轟音とともに荒れ狂っていた。

津波がすぐそこまで近づいていたのだ。

こんな光景、見たことない…地獄のようだった。

私はハッとした。そんなことを考えている場合ではない。逃げないと!
夫の手を引き、何も持たずに逃げようとした。
防災セットなど探している場合ではない。

玄関まで行った時、夫がふと立ち止まる。そして手を離そうとした。
「どうしたの!」
「じゃむぱんを助けないと!」
私の家で飼っている子ねこだ。

「ダメ!あなたが死んでしまう!」

そう言ったが、夫は無理矢理手を離し、家に戻っていった。

私も助けたかったが、どうしても行けなかった。



あれ以来、私はずっと後悔している。
夫の遺体は津波から1ヶ月後に発見された。じゃむぱんも見つかっていない。
自分を呪う日々が続いた。


津波から一年後…

瓦礫が撤去され、ようやく私は元の場所に戻った。
残った財産で一軒家を建てた。真新しい家具。

しかし、そこは私には空っぽの墓標のように見えた。
夫もじゃむぱんももういない…

倒れてしまいそうだった。

しかしそんなわけにもいかない。
何を考えようが、彼らは戻ってこないのだ。
前を向いて生きるしかない。
世間はなんでこんなに残酷なの…
立ち直れない日々が続いた。


地震からおよそ一年が過ぎた師走のある日のこと。
私は買い物に出かけた。あたりはクリスマス一色だった。

道路を歩いていると、反対側を中年の男性が通り過ぎるのを見つけた。腕には猫が抱かれている。
じゃむぱんと同じ種類だ…
つい思い出して目が潤んでくる。

もう少しよく見てみる。全身真っ黒だ。しかし足だけが白い。靴下を履いているようだ。

もしかしたら…

思わず男性に駆け寄っていた。
「すみません…その猫、どこで買われましたか?」
「この子はペットショップじゃないんだ…1年前に大地震があっただろ? …あれの後に、瓦礫のあたりをさまよって痛んだ…かわいそうに…それで僕が引き取って飼うことにしたんだ。」

間違いない。じゃむぱんだ!

「…この子は私の猫です!」

まさか生きているとは思わなかった…
夫が命を賭けてこの子を守ってくれたのかもしれない…
そんなことが次から次に頭をよぎり、泣き崩れてしまった。
クリスマスキャロルが遠くで鳴り響いていた。


私は今、じゃむぱんと2人で暮らしている。
じゃむぱんと過ごしていると、夫のことを思い出す。
きっと今も、見守ってくれているはずだ。どこかで…
良質:6票
全体評価で良質部門
してぃー。[10問出題]>>コメントなし
キャノー[『★良質』]>>自然な導入、そして真実を解説された時、伏線の多さに驚きました!
トリック部門
物語部門
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