「おわりなきよのめでたさを」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
「今年はお爺さんの声を聞きに来てください」
住職がそう言ったので、大晦日の予定が決まった。
祖父は既に亡くなっている。
どういうことだろう?
解説を見る
「本当に立派な鐘をいただきまして。有り難いことです」
この寺に元あった鐘は、戦時中に供出したそうだ。
今ある鐘は終戦後に祖父が寄贈したもので、住職は度々その話を持ち出し、一言聞いてから帰ってくれと言う。
弟は喜々として走り、体重をかけて撞木を引っ張り、鐘を鳴らした。
大きな音が山間の寺から扇状地に響き、むこうの山から遅れて返事が届く。
父はこれを聞く度に、叱られたことを思い出すと言った。
「さて、線香あげて帰るか」
今年の年越しは、数年ぶりに母とも一緒だ。
正解
住職は鐘の音を「声」と表現した。