とあるレストランで、男が「ウミガメのスープ」を注文した。

「…プリンが食べたい」
男の連れが唐突に言った。
「今はそんな状況じゃない」
冷静に男が対応する。

シェフがウミガメのスープを持って席に近づくと、慌てた様子で連れが声をあげた。
「嫌だ！」
「…大丈夫ですか？」
シェフは思わず声をかけた。
すると男の連れは何故かニヤリと笑った。

「彼は少しナーバスになっているだけでしょう」
男は何事もなかったかのように視線をシェフの手元に向けた。

「…ウミガメのスープです」
今度は男がニヤリと笑う。

「スープにウミガメ入ってるとか、信じられないな」
連れは相変わらず意味不明だが、男は冷静だ。
「何を言っているんだ」

「だったらシェフに聞いてみたらどう？」
「ウミガメの、スープですか？……だめだ！絶対『はい、ウミガメのスープです』って言うじゃん」

どういう状況だったのだろう？