女は着飾ることが好きだった。

周りのお洒落な人を見て髪型や服装を真似したり、
それを身にまとい画像や動画をSNSにアップロードしたり…。
承認欲求や競争心は人一倍強く、
ファッションセンスでは誰にも負けたくないと思っていた。
また飽き性でもあった為唐突に以前と全く違う格好をしたり、
長い髪をバッサリと短くしてしまうこともよくあった。

そんな女も長く交際していた男性とこの度、結婚することになった。
感傷に浸りながら両親とアルバムを眺めていた時の事。
ふと母が女に話をした。

「あなたはいつも似たような格好をしているから、
写真でもすぐに見つけられるわね。
…あなたや旦那さんがそれでいいなら私も余り口うるさくは言わないけれど、
たまにはお洒落の一つもしないと飽きられるわよ？
特に私はお洒落するのが好きだからあなたと一緒に出かけると、
対照的ですねなんて言われちゃったりして…。
本当、誰に似たのかしら」

女は苦笑しながら、
「そうかな？間違いなく、母さんの血を引いてると思うよ」
と答えた。


女と母親の意見が食い違うのは何故だろう？