お初にお目に掛かります。
私ですか？私は「翁」と申します。
是非、お気軽に「爺や」とでも及び下さいませ。

はて、しかし貴方様は何故こちらに？
窓一つないここでは明かりが差さないので、さぞご不便されたことでしょう。
どれ、灯りを灯しますかね。

貴方様とお話ししていたいのは山々なのですが、どうにもご主人様がお呼びのようです。
ご主人様のお相手が済むまで、そうですね・・・
手製のスープをお出し致しますので、ご笑味頂きながらお待ちくださいませ。
ご主人様は無茶を仰るでしょうから、暫し時間がかかるやも知れませんがご了承くださいませ。
それでは失礼。

「おや、ご主人様、そちらは素手で触れぬ様、お願い申し上げます。」

手製スープ
私、翁の仕事はご主人様の無茶にもお応えする事なのですが、私の意思ではこの仕事を辞めることができません。私は辞めたいと思っているのですが、なぜ辞められないかお判りになられますかな？