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狐や狸に化かされた時は、煙草を吸うといいらしい。
A氏はそれを思い出し、青ざめた。
なぜか?
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目が覚めた。
時計を見ると、午前五時を少し回った頃だ。
今から二度寝をすると寝過ごしてしまう可能性がある。
A氏はサイドテーブルからポーチを取り上げ、ベッドを出てベランダに向かった。
喫煙者である彼は、常に煙草とライター、携帯灰皿とガムに消臭スプレーを手元に置いている。
二本だけ残った煙草の片方を取り出し、朝焼けにはまだ少し早い空を眺めた。
そういえば、さっきまで見ていた夢もまた煙草を吸う夢だった。
一口だけで目覚めてしまったので、余計に物足りなく思うのだろう。
あの時は三本あったのにな、などと考えながら煙を吸い込み、吐き出す。
目が覚めた。
狐や狸に化かされた時は、煙草を吸うといいらしい。これは夢でも効果があるようだ。
そんなことを思い出しながら、ベランダに出た。
午前五時。十七分。
煙草の最後の一本を取り出し、朝焼けにはまだ少し早い空を眺める。
ふと思った。
これは、どこまでが夢なんだ?