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「これからは2人で、永遠をともにしよう。」
そう言って、日本人の昴は飛行機に乗り込んだ。
昴の恋人であるエミリがいるアメリカへ向かうために。

しかし、昴はエミリを一目見ると、
エミリのためを思い、エミリに背を向けて、離れていった。

このとき、昴の後ろには何があっただろうか。
[kfive]

【20の扉】26年08月15日 13:12

初20の扉です!

解説を見る
A.爆弾
昴は特攻隊(詳しくはWEBで)である。
昴は飛行機に乗り込むとき、エミリと一緒に心中するつもりだった。
しかし、昴は飛行機の中でエミリを一目見て、エミリだけは生き残ってほしいと思い、エミリから遠ざかっていったのである。


-Story-

これは、本当にいたかもしれない、悲しきカップルの物語。
昴とエミリは、まだ国同士の交流が少ないとき、多大な数の批判を受けながらも、互いに愛し合った、国際カップルである。


◇◇◇◇◇


時は1939年8月31日

「Does that mean we won't be able to see each other for a while?
(もうしばらく会えないってこと?)」

「I probably won't be back in the U.S. for another six months.
(次アメリカに来るのは半年後になるかな)」

「I see...
I'm going to feel lonely again.
(そうか、また寂しくなっちゃうわね)」

「Well, take care of your health.
(まぁ、健康には気をつけて)」

「could you teach me a bit of Japanese?
(最後に、私に1つ日本語を教えてくれない?)」

「OK.I teach you Japanese『そんなわけないか』.」

「ソンナワケナイカ?」

「This word means that I guess that's not it, though.
(この言葉は、『どうやらそうではないらしい』という意味です。)」

「I see. アリガトウ」

「Take care, then.
(それじゃあ、元気でね)」


◇◇◇◇◇


昴が日本に帰った途端、9月1日、第二次世界大戦が始まった。
昴は、この戦争の影響で、エミリに会いに行くことができなくなってしまった。

「どうして、エミリに会いたい。」

さらに、2年が経ち、太平洋戦争も始まった。

「なんでアメリカと戦争するんだよ…
エミリ、大丈夫かな。」

昴のその苛立ちは、戦争を起こした全世界に対する苛立ちに変わっていった。

「世界って本当に何をやっているの?」

それから1年が経ち、昴にある話が持ちかけれた。

「なぁ、アメリカに行けるんだったら、いきたいか。」

上官から、不意にこの話を持ちかけられ、昴は反射的に答えた。

「はい、行きたいです。」

昴は嬉しかった。
なぜなら、エミリに会えるからである。

「そうか、じゃあ、8月31日、俺の所へ来い。その前に、親御さんの所へ挨拶に行くこと。」
「はい、分かりました。」

昴はどうして、親に挨拶をしなければならないのか分からなかったのだが、そんなことよりも、エミリに会うことができる嬉しさで、昴の頭はいっぱいだった。


◇◇◇◇◇


そして向かえた8月31日、昴が上官のもとへ行くと、目の前には、たくさんの爆弾が置いてあった。

「これを飛行機に積め。」
「えっ?」

昴は何か嫌な予感を察知しながらも、爆弾を飛行機に積んだ。
そして、全部積み終わった後、上官は昴にこう告げた。

「この飛行機に乗ってアメリカに突っ込め。」
「えっ?そんなことしたら、僕は死んじゃいませんか?」
「お前がアメリカに行きたいって言ったんだろう。お国のために死ぬなら、お前も幸せだろ?」

そう、昴は上官に騙されたのである。
昴はアメリカに行くことはできるが、帰ってくることはできない。
昴は絶望した。
なぜなら、自分の死が確定したからである。
その時、昴は思った。

「これで、エミリと一緒に心中しよう。
そっちのほうが、エミリにとっても、僕にとって幸せだ。
天国なら、2人の幸せな時間を誰にも邪魔されないしね。」


◇◇◇◇◇


翌日、昴は飛行機に乗り込んだ。

「これからは、2人で、永遠を共にしよう。天国で。」

昴はなぜか爽快感あふれた気持ちに浸っていた。

「町の中心部を狙うんだぞ。今まで、ありがとう。」

そんな上官の言葉は、昴の心には1ミリも響いていなかった。


◇◇◇◇◇


それから10時間が経って、遂にアメリカが見えてきた。
昴は迷わず、エミリのいるニュージャージー州へ突っ込んだ。

「エミリ、こんな残酷な世界から、二人で抜け出そう。」

だんだんと高度が下がっていき、昴は3年ぶりに、エミリの顔を見た。
エミリは洗濯を干していた。
その、普通に日常を営んでいるエミリの顔を見て、昴は思い直した。

「やっぱり、俺にはエミリを殺せないよ。」

昴はハンドルを右に大きく切り、エミリから離れていった。

「エミリ、幸せでね。」


◇◇◇◇◇


昴の乗っていた飛行機は、誰もいない山に墜ち、爆発した。
青白い閃光を出しながら。
その爆発を見たアメリカの近くの町の人が、一斉に逃げる中、エミリだけは爆発が起きた方向をじっと見ていた。

(あの日本軍の飛行機、私を見て急に方向転換をしたように見えたけど)
「ソンナ、ワケ、ナイ

…ヨネ」

#今日は世界中の誰もが忘れてはならない日
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アカシアン>>「距離」を感じる問題。
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