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▽解答:
トマトの受粉に必要なハチをアンちゃんが叩き潰してしまったから。
▽解説:
「ねえ見て!教室にハチ入ってきた!」
窓際の席の女子が声を上げると、教室中に緊張が走った。
「うわ、刺されたらどうしよう!」
「先生呼んだほうがいいんじゃない?」
緊張するクラスメイトたちの中、園芸部員のケンだけは違う反応をしていた。
彼は机の下から鉢植えのトマトを取り出し、ハチの近くにそろりと置いた。
「おいケン、何してんだ?」
「しっ…あと少しだから…」
このトマトは、人の手で花粉をつけるだけでは実がならない。
ハチが花に止まって羽を震わせる、あの独特の振動がないと奥の花粉が弾けて受粉しない性質を持つ品種なのだ。
文化祭は来週。受粉から実がなるまでには1週間近くかかるため、今日中にハチの力を借りなければ展示が叶わなくなってしまう。
教室に迷い込んだこのハチが、まさに最後のチャンスだった。
事情に気づいたクラスメイトたちは、ハチに刺される恐怖を感じつつも、受粉を見届けることで一致した。
クラスメイト全員が息をひそめて見守る中、ハチはゆっくりとトマトの花の周りを羽ばたき始めた。
そこへ…
「危ない!みんな下がって!」
颯爽と教室に入ってきたアンちゃん先生が、手にしていたクリップボードでハチを一撃。
ハチはあっけなく机の上で動かなくなった。
「みんな大丈夫?ケガはない?」
……
……
……
教室中に、重苦しい空気が漂っていた。
「え?え?」
状況を理解できないアンちゃん先生が辺りを見回す。
「終わった…」
「え?ケンくん?どういうこと?」
「このトマト、ハチの助けがないと実がならない品種なんです…もう文化祭に間に合いません…」
「ご、ごめん!」
アンちゃん先生が慌てて謝罪するが、もはや後の祭りだった。
「ケン、文化祭に向けてずっと頑張ってたのに…」
「先生、また状況を確認しないで突っ走ってる…」
クラス中の非難が一斉にアンちゃん先生に集まり、颯爽と生徒を危機から救ったはずの彼女は、気まずそうに小さくなるのだった。
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