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「日傘…」

「水筒…」

「ヘアバンド…」

「日焼け止め…」

「帽子…」


声に出して確認しながら、次々と目の前の箱に入れていく一花。

そんな一花が、クラスメイトの隼人の顔を思い浮かべながら箱に入れたものはなんだろう?
[だだだだ3号機]

【20の扉】26年07月11日 21:30
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放課後。
体育祭の実行委員である一花は、一週間後の本番に向けて準備を進めていた。

今、彼女の目の前には、借り物競争のお題を抽選する用の箱がある。

とはいっても、段ボールを色画用紙で装飾しただけの粗末なものだ。観客席からは細かいところまでは見えないのだから、どうでもいいのだろう。

どちらかと言えば、この手のものは中身の方が重要だ。

一花は紙とペンを取り出すと、予め会議で決めておいた「お題」を書いて、声に出して確認しながら四つ折りにして箱へと入れていった。

日傘、水筒、ヘアバンド、日焼け止め、帽子etc.……あまり高価でなく、「体育祭で誰かが持っていそうなもの」を吟味した品々だ。

いよいよ最後のひとつ。
このお題は、一花の高校の体育祭では伝統になっている。 正直、借り物競争なんて勝敗より、これを楽しみにしている生徒がほとんどだろう。


好きな人……」


胸に浮かぶのは、クラスメイトの隼人の顔だった。

足の速い彼は、クラス対抗リレーに出場することになっている。 トラックに最も近いテントでその勇姿を見られるのは、実行委員の特権だ。

一花はお題の紙を丁寧に畳み、箱に入れた。

これを引くのは一花ではない。
実行委員はお題の中身を知っているため、借り物競争に参加することはできない。

一週間後、この紙を引いた誰かは、思いを寄せる誰かの手を取ってゴールするだろう。 その後どうなるかはわからないけれど、ひょっとしたら付き合ったりするのかもしれない。

それは当然、自分には関係のないことなのだけれど。

……付き合ったりするといいな、と一花は思った。




A、「好きな人」と書かれた紙
トリック:1票物語:2票良質:9票
全体評価で良質部門
[100問出題]>>青春!!
アカシアン>>トリックがとても鮮やか!!マーベラス!!
アカミドリ>>コメントなし
トリック部門
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霜ばしら>>コメントなし
アカミドリ>>コメントなし
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