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「私、実は霊感があるんだけどさ」
「今日の雄くん、血塗れの女の生首がずっと肩に乗っかってるよ」
ある昼下がりのデート中、美冬は彼氏の雄介にそう切り出した。
「いや、そんなの…冗談だよね?」
付き合って1年半、突然のカミングアウトに雄介は震え声で返す。
「ホントだよ。雄くん、怖がりの癖に心霊スポットとか行ったでしょ」
心当たりをズバリ言い当てられ動揺する雄介。何より美冬の真剣な眼差しが、彼に茶化す暇を与えなかった。
「確かにこの間、クラスの男子と町外れの廃病院に行ったけど…」
それを聞いた美冬は「やっぱり」と呟き、より一層真剣な顔になった。
「わ、悪い霊なの?」
「良くはない、かな。結構強い恨みを感じる」
「そんな…お祓い行った方がいいかな!?」
狼狽する雄介に、美冬は優しげに微笑んで言った。
「安心して。今から説明する私の言い付けを守れば、きっと大丈夫だから」
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さて、上記のやり取りにおける美冬の「霊感がある」という発言は全くの嘘である。
背景を明らかにした上で、美冬の言い付けの内容を当ててほしい。
※本問題のジャンルはウミガメのスープなので、背景が合っていれば言い付けの内容は正確でなくても構いません。
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真相
A、(盗聴器を仕込んだ)お守りを肌身離さず持っておくこと。
最近、美冬は雄介が浮気しているのではないかと疑い始めていた。
ある日雄介のスマホを盗み見ると、友人たちと心霊スポットに行っている写真を見つけた。
美冬は一切聞かされてない上に、その写真には雄介ととても仲睦まじそうな女の子の姿も写っていた。
浮気の有無を確かめたいものの、雄介の部屋に盗聴器を仕掛けたところで、外出時に浮気をされたら意味が無い。
そこで美冬はあるアイデアを思いついた。 お守りの中に小型の盗聴器を仕込んで、雄介にプレゼントする──。
ある日のデート中、美冬は「実は霊感がある」と切り出し、事前に知っていた心霊スポットの一件をさりげなくカマをかけるように話題に出した。
それにより怖がりの雄介は美冬の霊感をあっさり信じ込んだが、心霊スポットについては「男子と行った」と嘘をついた。
ますます疑念を深めた美冬は、「やっぱり」と呟きながら、「身を守るための言い付け」と称して、盗聴器入りのお守りを持たせる作戦を決行した。
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最近なんか予定合わないなぁ、って思ってたのね。
こないだ、カフェでお茶したじゃない?
その時に雄くんがトイレに行ったタイミングで、スマホの中身を見たんだけど。
うん、浮気の証拠は無かったよ。
でもさ、この心霊スポット行った面子さ。
女の子いるじゃん。
これ4組の子だよね。
ふぅん、同じ中学だったんだ。へぇ。仲良しなんだね。
でも、雄くん怖がりの癖に、私に「心霊スポットに行く」なんて一言も言わなかったよね。
なんで?「心配をかけたくなかった」?
ふぅん、優しいね。そっか。
でもじゃあなんで、「クラスの男子と行った」なんて嘘ついたの?
なんとか言ってよ。黙ってちゃわかんないってば。
…まあいっか。続けるね。
でも私も雄くんのこと信じたかったからね。
浮気してない、ってわかれば、まあ、嘘ついてたっていいよ、恋人同士でも言えないことはあるもんね?
だから申し訳無いけど、盗聴器を仕掛けることにしたの。
私と会ってないときのことがわかれば、「浮気してない」って、安心できるしさ。
でもほら、私たちまだ高校生じゃない?
何度も雄くんのお家に行くのはさ…ちょっと良くないし。
それに外で2人で会ってたりしたらわかんないもん。
だからね、お守り作って、それに盗聴器を仕込んで渡せばいいって思ったの。
凄いんだよ。最近のってボタン電池で1週間くらいもつの。
まあ、ちょっとお財布は痛かったけどさ。
「心霊スポットに行った」ってことはもう知ってるわけだし、それを引き合いに出して霊感があるってことにすれば、怖がりの雄くんは信じてくれるもんね。
…まだ聞こえてる?よかった、返事が無いから死んじゃったのかと思ったよ。
そしたらさ、ビックリしたよ。
雄くん、あの子の部屋にまで行ってるんだもん。
ねぇ、雄くんどうして?
──────ねぇってば。
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