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ある朝、少女はリスクを避けるため、雪の中を歩くことにした。どういう状況?
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「千代子ぉ、車さ乗れ。父ちゃん学校まで送ってやっぞ」
「父ちゃん。今日は歩いてぐ」
「この雪じゃ寒いべ。風邪ひくぞ。は、乗れ」
「いいんだ父ちゃん。今日は歩いてぐがら」
「何だぁ。まあ、気いつけろよぉ」
私、天井千代子(あまいちよこ)15歳は、同じクラスの森永明治(もりながあきはる)君に恋をしている。
人生初めての恋だ。
きのう、家族の目を盗んで作った手作りチョコ。私の通学カバンには、明治君にあげるためのチョコレートが入っている。
父ちゃんの車は暖房をがんがん利かすから、頑張って作ったチョコレートが溶けちゃう気がして。今日は車に乗る気にはなれなかった。
足首まで積もった雪を脇目に道を急ぎ、千代子はいつもよりも早く学校に着く。そのまま、人目につかない旧校舎の裏へ行くと、前もって呼び出した明治がすでに待っていた。
「話ってなんだ?天井。さみーんだけど」
「あ、あのさ・・・これ、食べて!きょ、きょう、バレンタインだべ!」
「お、んだっけか。サンキュー。んじゃ早速」
「・・・うまぐねぇなこれ。ボソボソしてる。味も薄い」
「・・・」
「天井、おめぇ普段料理しねえだろ」
「・・・」
「授業、今日昼までだべ。学校終わったらオレの家さ来い。手作りチョコの作り方教えでやっから」
「え・・・」
退屈な4時限目の数学とホームルームが終わり、やってきた放課後。
千代子はこの日、明治と初めて一緒に帰った。
▽解説の解説
少女は、暖房の熱で手作りチョコレートが溶けるリスクを避けるため送迎を断り、寒い雪道を歩いて学校に向かった。
家族にはチョコの件を秘密にしており、車の暖房を切って送ってもらう手段は取れなかった。
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