「海亀食堂の一番の看板メニューは何かって?
そりゃ『季節の刺身』だろ! 新鮮な魚が近くの漁港から、いくらでも入って来るしな」
「いや、『ビーフシチュー』に決まってる! じっくり時間をかけてとろけた牛肉がたまらねぇんだぜ!」
「私は『酢豚』だと思うわ。甘い餡の味付けが絶品なのよ」
常連達の意見は様々に分かれる。
それほどまでに海亀食堂は、オーナーシェフであるカメオの腕がずば抜けており、また和洋中華その他メニューも充実しているのである。
ところが、海亀食堂のポスターの中央の、もっとも目立つ位置に据えられているのは、刺身でもビーフシチューでも酢豚でもない。
何の変哲もない『おにぎり』であった。
海亀食堂は他の食堂と比べても、特に違う米を使っている訳ではない。
おにぎりの具や作り方などに、これといった工夫もない。
もちろんカメオ本人に、おにぎりを特に推す理由がある訳でもない。
では、何故か。
そりゃ『季節の刺身』だろ! 新鮮な魚が近くの漁港から、いくらでも入って来るしな」
「いや、『ビーフシチュー』に決まってる! じっくり時間をかけてとろけた牛肉がたまらねぇんだぜ!」
「私は『酢豚』だと思うわ。甘い餡の味付けが絶品なのよ」
常連達の意見は様々に分かれる。
それほどまでに海亀食堂は、オーナーシェフであるカメオの腕がずば抜けており、また和洋中華その他メニューも充実しているのである。
ところが、海亀食堂のポスターの中央の、もっとも目立つ位置に据えられているのは、刺身でもビーフシチューでも酢豚でもない。
何の変哲もない『おにぎり』であった。
海亀食堂は他の食堂と比べても、特に違う米を使っている訳ではない。
おにぎりの具や作り方などに、これといった工夫もない。
もちろんカメオ本人に、おにぎりを特に推す理由がある訳でもない。
では、何故か。

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