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病院にやってきた鼠屋敷さん。
手を怪我しているのだが、聞けば転んで擦りむいてしまったとのこと。
さていま鼠屋敷さんの隣にいる幼馴染の離小島君が手に持っている「彼女が怪我をする原因になったもの」とは何か?
※質問制限なし!
※Cindyで出題した問題を改変したものです。知ってる方はせっせと野良かせぎに行ってください
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A.りんご
カーテンが風にそよぐ音で午睡から目を覚ました離小島君。
昨日の夜から盲腸で近所の病院に入院しているのだ。
ベッド脇のテーブルには眠りに落ちる時にはなかった、花瓶に活けられたチューリップ、剥かれたりんごが置かれている。
「起きた?」
幼馴染の鼠屋敷さんが病室に入ってきた。
「わざわざ来なくてもよかったのに」
「あんたが弱ってる姿なんて超レアじゃない。これは目に焼き付けとかないと」
「…暇人か」
「そう暇で暇でしょーがないのよう」
わざとらしいため息をついてベッドの横の椅子に腰掛ける鼠屋敷さん。
「りんご… 食べてもいいかな?」
「さあ?いいんじゃない? 私が来る前に置いてあったわよ」
「…これ、うさぎ、かな?」
「どっからどう見たってうさぎじゃない」
「そう…だな。うさぎだ、うん」
「可愛いじゃん」
「…あと、その指どしたん?」
「こ、これ? えっとね、さっき転んで擦りむいたの」
「そうなんだ」
そう言って離小島君は歪な形のうさぎを頬張った。
その様子をじっと見つめる鼠屋敷さん。
「…おいしい?」
「ん。うまい」
「そっか」
そっけない返事とは裏腹に鼠屋敷さんの顔が綻ぶ。
「ありがとう」
「どういたしまして…って私が切ったんじゃないけど!」
「あとお見舞いにチューリップはよくないぞ。花が落ちて縁起が悪いからな」
「えっ?えっ?そ、そうなの?…って私が持ってきたんじゃないけどさ!!」
「俺、昔からチューリップ好きなんだよなあ」
「知らねえし。そんなどうでもいい情報で私の脳内ストレージを圧迫しないでよ」
そう言って楽しそうにけたけた笑う鼠屋敷さんを見て、たまに病気になるのも悪いものではないなと思った離小島君であった。
物語:1票