北風と太陽は、どちらが旅人の着ているコートを脱がすことができるか、勝負をしていた。
先攻、北風。
自身の持つ最大威力の暴風を吹かせたものの、旅人のコートを脱がすことは出来なかった。
太陽は自分の負けを認めた。
一体何故?
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「風の子」である北風ちゃんとの遊びに付き合う太陽おじさん。
負けず嫌いである北風ちゃんの機嫌を損ねると大変なので、わざと手を抜いて勝ちを譲ったのである。
解説
ある秋の日、「風の子」である北風ちゃんは、親戚の太陽おじさんに遊んでもらっていました。
「太陽おじさん、今度はどっちがあの旅人さんのコートを脱がせられるかで勝負だよ!」
「はいはい。構わんよ。」
「じゃあ僕からね。えい!!やあ!たあ…!」
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小さな体を精一杯膨らませ、旅人のコートを吹き飛ばそうと頑張る北風ちゃん。
しかし、季節は秋の始まり。未発達である北風ちゃんが持つ「最大威力の暴風」では、せいぜいコートをなびかせる程度で、脱がせることは叶いません。
(じわり…)
負けず嫌いの北風ちゃんは、目に涙を溜めて今にも泣き出しそうです。
(こりゃまずい…。泣かれては大変だ!)
後攻の太陽おじさんは、北風ちゃんに勝ちを譲るべく、全力で手を抜くことにしました。
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「いやー、おじさんも歳だなぁ。旅人さんはコートを脱ぐ素振りすらしなかったよ。どちらも脱がせることは出来なかったが、コートをなびかせた北風ちゃんの勝ち!」
太陽おじさんは、そう言って負けを認めました。
「へ…へへー!どんなもんだい!」
北風ちゃんに笑顔が戻り、太陽おじさんは安心しました。
(ふぅ、危なかった…。まあ『子供の笑顔に勝るものなし』だな。)
すっかり気を良くした北風ちゃんはすくすくと育ち、その年はいつもより早く冬が訪れたそうな。
めでたしめでたし。
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物語部門
オンモラッ>>
太陽の熱した空気によって生まれるのが風…子供が親に勝てるわけが無いよね…
納得部門
天童 魔子>>
OOは風の子とは聞いたことがありますがまさか逆も然りだったとは斬新なのです