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カメオおじいさんにはいつも頻繁に訪れる行きつけのカフェがある。
このカフェは美味しい紅茶とコーヒーが人気の隠れた名店であり、カメオおじいさんもコーヒーや紅茶を注文しては席で静かに読書をして過ごすことが多かった。
そんなカメオおじいさんは、孫に自分の誕生日をお祝いしてもらい、「おじいちゃん、これからも元気に長生きしてね。」とメッセージをもらった。
そうして「これからも健康で長生きしていこう」と改めて思い直したカメオおじいさんは、行きつけのカフェでコーヒーしか注文しなくなった。
その代わりに、カフェの販売商品である紅茶のティーパックを購入し、自宅で紅茶を淹れるようになった。
いったいなぜだろうか?
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解説
カメオおじいさんには長年連れ添った妻がいた。カメオは妻と一緒によくカフェを訪れており、カメオはコーヒーを、妻は紅茶をそれぞれ注文していた。 ※孫がいるということは妻もいて当然ですよね。
ある時妻は亡くなったが、悲しみに暮れたカメオは妻の死を受け入れることが出来なかった。カメオは、一人でカフェに来店しては自分で飲むコーヒーと一緒に生前妻が飲んでいた紅茶を注文し、自分ではその紅茶を飲むことはなかった。こうして、まるでその場に妻がいるかのように振舞っていた。
しかし、孫からの「長生きしてほしい」というメッセージをもらい、「これから妻の分も健康に長生きしていこう」と思い直した。
その結果、妻の死を受け入れて、カフェでは妻の分の紅茶を注文することを止め、その代わりにカフェの販売商品である紅茶のティーパックを購入し、自宅で紅茶を淹れて妻の仏壇に供えるようになった。
(以下、蛇足)
ここは美味しい紅茶とコーヒーが人気の隠れた名店「カフェ らてらて」。
この店の常連客は多いが、その中でも特に店員達に評判の老夫婦の客がいた。
老夫婦はいつも必ず二人で来店し、男性の方はコーヒーを、女性の方は紅茶を注文し、いつも仲睦まじい様子で過ごしていたので、「理想の夫婦の姿」などとカフェの女性店員達の憧れの的になっていた。
ところがある時、今まで頻繁に来店していた老夫婦は急に姿を見せなくなった。
店員達がどうしたものかと思っていると、ある時老夫婦のうち男性だけが一人で来店した。
男性は以前に比べ、見るからにやつれて元気のない様子であった。
席についた男性はか細い声で注文をした。
「コーヒーと・・・紅茶を、1つずつください。」
すべてを察した店員は何も言えず、ただ男性にコーヒーと紅茶を持って行った。
男性はしばらく読書をしながらコーヒーを飲み干し、店を出たが、紅茶には一切手が付けられていなかった。
その後も男性は一人で来店し、コーヒーと紅茶を注文するが、コーヒーだけを飲み干して帰るといったことが続いていた。
しかし、ある時に男性が来店した際、男性はコーヒー1つだけを注文した。
注文を聞いた店員には、心なしかその声には精気がこもっているように思えた。
コーヒーを持って行った店員に、男性は語り始めた。
妻を亡くしたこと。その死を深く悲しんだこと。妻のことを思い、紅茶を注文していたこと。この前の誕生日に孫から長生きしてほしいと言われたこと。そしてその誕生日の夜、夢に妻が現れたこと。
「妻からは『いつまで悲しんでいるつもりですか?』『あなたには私の分まで長生きしてくれないと困りますよ。』・・・なんて言われましたよ。」
「それで、このままではいけないと思い直しました。このお店にも、飲みもしない紅茶を注文してしまい、ご迷惑をおかけしました。」
男性は笑いながらそう話していた。彼はもうコーヒーしか注文はしないそうだ。
ただ、帰るときに紅茶のティーパックを購入していった。
「紅茶を淹れて妻の仏壇にお供えしたい。」とのことだ。
店員は男性に美味しい紅茶の入れ方をそれはそれは丁寧に教えたということである。
今でも男性はよくカフェを訪れてはコーヒーを飲んでいる。
そして、紅茶を購入して帰っていくのだ。
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