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久しぶりのデートの後。

ハルはアサヒと結婚したいと強く強く思いながら、アサヒに婚約指輪を渡した。

アサヒはハルと結婚したいと強く強く思いながら、これは受け取れませんとハルに婚約指輪を返した。

さてこの婚約指輪をハルが左手の薬指に嵌めるとサイズが大きくてガバガバなのは何故?

ただし"ハルは男性にしては華奢で、指もアサヒの指より細いから"ではない。
[ダニー]

【ウミガメ】24年06月03日 20:37
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ハルは重い病気を患ってかなり痩せてしまい、アサヒからもらったジャストサイズの婚約指輪がガバガバになってしまったため。

以下詳しい解説


「僕と結婚してください」

「…はい、よろしくお願いします」

アサヒからの婚約指輪を受け取ったハルが倒れたのは、そのプロポーズから3日後のこと。

病院で告げられた病名は大腸がん。
気づかない内にかなり進行しており、リンパにも転移している状態であった。
3年以内の生存率はほぼゼロに近い。

その日から緊急入院したハルの抗がん剤治療が始まった。

しかし闘病の甲斐なく、ハルの病状は悪化の一途を辿るばかり。
その生活に疲れてしまったハルは抗がん剤治療を諦め、在宅で緩和ケアのみを受けることにした。

自分の死を受け入れたハルはある覚悟を持って久しぶりにアサヒをデートに誘った。

ディナーを食べ終えた2人。

ハルはアサヒから受け取った婚約指輪をテーブルの上に置いた。

「結婚するのはやめましょう」

アサヒと結ばれることをずっと強く強く願っていながら、その心に反してハルはアサヒにそう告げた。
涙が出そうだが、唇を噛んでぎゅっと堪える。
アサヒの今後の人生を考えるんだ。
死を待っているだけの私に人生を捧げるべきではない。

ハルから渡された婚約指輪のケースをしばらく眺めたあとアサヒは口を開いた。

「これは受け取れません」

そして、とても情け無い話だけど、と前置きしてアサヒは語り出した。

「僕はもしハルからプロポーズを断られても、今後ハル以外の女性と恋をすることなんてできないよ。
だってハルと比べちゃうんだもの。
相対的にも絶対的にもハルを超える女性は現れないって確信を持ってるんだ。
哀れな一生独身を貫く男より、素敵な女性と結婚した男になりたい。
もし、そのハルが、その、し、し、死んじゃっても、さ。
僕はハルを想い続けた方がとても幸せなんだ。
その価値観はハルにだって否定されたくない。
こんな情け無い僕で申し訳ないけど、絶対に絶対に結婚してほしい」

土気色をしていたハルの顔にスッと朱がさしていく。
だめだ、唇を噛む歯に力が入んない。目の周りが涙で溢れていく。

「なさ、け、ないなあ…」
「そう!情け無い!ハルはこんなやつほっとけないだろ?」

そう言ってアサヒはケースから婚約指輪を取り出してハルの左手薬指に嵌めた。

痩せ細った指には大きすぎるサイズだった。

「僕と結婚してください」

「…はい、よろしくお願いします」





















20年後。

「久しぶりのデートだし着けようと思ったんだけど、全然入んなーい!」

「…少しは痩せたら?」
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遠木ピエロ>>コメントなし
物語部門
遠木ピエロ>>コメントなし
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