満月の光を浴びると狼に変身してしまう特異体質を持つ人間、通称「狼人間」。
そんな狼人間が人口の数%を占める国「ルベール」では
狼人間の人権を守るために、ルベールに住む狼人間一人一人に透明なビニール傘が配られることになった。
一体なぜ?
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見た目は全く普通の人間と同じで判別がつかないのだが、満月の光を浴びると狼に変身してしまうため、狼男は昔から差別されてきた。
狼に変身してしまうと自我を失い、狼となり周囲の人を襲ってしまうため、狼男ではない人間(一般人)は狼男のことを恐れたり無視したりしていた。
ある時期には狼男を殺害しようとする運動が起こったり、真昼の太陽の光で狼に変身をした狼人間がいる、という根も葉もない噂も流れ、狼男が外に出ているだけで暴力を振るわれたり罵詈雑言を飛ばされたりした。
ゆえに、光を通す透明なビニール傘は、狼男は持つことを許されていなかった。
たとえ昼間の、しかも雨の時でも、透明なビニール傘で光が通ると変身してしまうかもしれない。
こういう恐怖感が人々の心に根付いていたのだ。
そのため、透明なビニール傘を購入するのには一般人である証明が必要だった。(狼男なら保険証に狼男と記されているため、保険証の提示が必要だった)
そして、色のついた傘ををさしていると狼人間だと周りから思われてしまうため、一般人は誰も色のついた傘をさそうともしない。
時代が変わり、狼男も同じ人間でありやはり差別はいけないとルベール政府は考えた。
研究から満月の光以外には狼人間は狼に変身することは絶対にないことも分かった。
透明なビニール傘は狼男でも購入することが出来る、と法律にも明記した。
しかし、一般人からすると満月の光を浴びただけで狼になってしまう狼人間と、今さら仲良くするのはかなり抵抗があった。
透明なビニール傘でも狼人間が購入できる、と法律に明文化されても、一般人と証明できない人間に透明なビニール傘を売ることは忌避されていた。
そこで、一般人と同じように、狼人間も透明なビニール傘を所持して、少なくとも傘の色だけで狼男だと差別されないよう、一人一人に透明なビニール傘が配られることになった。
簡易解説
今まで狼男は光を通さない色のついた傘しか所持や購入が認められていなかったため、色のついた傘をさしているだけで狼人間と思われ、差別されてきた。
法律が変わり誰でも透明なビニール傘を所持・購入可能になったがなかなか人々から忌避感が消えない。
そこで、傘の色で差別がされないよう、透明なビニール傘が配られることとなった。