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過保護な母親と小さい頃から馬が合わず、おばあちゃん子だったカメコ。
そんなカメコにはミュージシャンになるという夢があった。
しかしカメコの母親は安定した職についてほしいと猛反対。
そんな反対を押し切り、カメコは高校卒業後、半ば家を飛び出す形で、単身アメリカで音楽活動を始めた。
一人異国の地で過ごすことに不安もあったカメコだが、アメリカに渡ってからもおばあちゃんが励まし続けてくれたので音楽活動を一生懸命頑張ることができた。
そしてついにカメコはアメリカで今後の音楽活動を左右するほど大きな大会に参加することになった。
その結果はあまり芳しくなかったものの一区切りついたカメコは高校卒業ぶりに帰国した。
そこでカメコは、実は母親がカメコの音楽活動を応援していたことを知った。
すると、母親が応援してくれていたことは嬉しく感じていたはずなのに、カメコは涙を流して悲しんだ。
一体なぜ?
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簡易解説
大会前、メールで応援してくれていたのはおばあちゃんではなく実は母だった。
帰宅しておばあちゃんがいないことに気付いたカメオは、母親が、急逝したおばあちゃんの代わりに、音楽活動に支障が出ないようにとおばあちゃんのふりをしていたことを知り、おばあちゃんを亡くした気持ちで悲しくなり涙を流した。
解説
おばあちゃんにもらったお金で、単身アメリカで音楽活動を始めたカメコ。
『カメコちゃんアメリカで元気に過ごしていますか』
「うん!こっちの生活もだいぶ慣れてきた!ありがとうね!おばあちゃんこそ元気?」
『こちらは元気ですアメリカの生活に慣れたので安心しました
ご飯はきちんと食べてますか』
「うん!こっちのご飯とっても美味しいんだ」
『それはよかつた
でも体には気をつけて過ごすんだよ』
「ありがとうおばあちゃん、おばあちゃんこそ気をつけてね」
おばあちゃんは慣れないメールでカメコのアメリカ生活を応援してくれる。
「ごめん!再来月、大きな音楽の大会に出ることになったんだ!来月、日本に帰るって言ってたけど、今回は本当に大事な大会だからこの大会が終わった後に日本に帰るね、だからそれまで待ってて!
ごめんね!」
『そっか!ちょっと寂しいけど、カメコちゃんの人生を左右するんだったら一生懸命頑張りなさい。大会に向けていっぱい練習してね』
「うん、おばあちゃんありがとう!再来月楽しみにしてるね!」
そしてついに来た大会の日。
結果は予選敗退。
決勝まで進めればデビュー確実だったのに、残念な結果をおばあちゃんに報告しないといけない。
家族の中で唯一応援してくれていたから申し訳ないなぁ。
あぁ、お母さんとかからどうせ音楽やめろってまた言われるんだろうなぁ、嫌だなぁ
そんな思いを胸に日本に帰宅したカメコ。
「あ、カメコ帰ってきたのね」
家のドアを開けると、お母さんがどこか神妙な顔をして声をかけてきた。
「・・・うん。 おばあちゃんは?」
「・・・おいで」
そのままおばあちゃんの部屋に向かうと、いつもいるはずのおばあちゃんはそこにはおらず、いっぱいあったおばあちゃんの持ち物もだいぶ減って部屋が広くなっていた。
「え、おばあちゃんは?」
「カメコ、本当は先月言いたかったんだけど、実はおばあちゃん、交通事故に遭っちゃって」
「え?」
「それで、当たりどころが悪くって」
「嘘だ!」
「すぐに亡くなっちゃって」
「嘘だ嘘だ!!だって昨日までメール返してくれたよ!それにっ」
「カメコ、あのメールは私が代わりに送っていたのよ」
「・・・え。」
「どうしてもこの前の大会だけは出たいっていうから心配かけないでおこうと思って」
「・・・お母さん・・・」
「だからおばあちゃんが亡くなったって言えなくって」
「・・・嘘・・だよ・・ね?」
「・・・辛いけど、本当なの。」
カメコの目からみるみるうちに涙が溢れ出した。
おばあちゃんが死んじゃったこと。
もう二度とおばあちゃんに会えないこと。
そしてあんなに反対していたお母さんが実は私のことを応援してくれていたこと。
そしてこの前の大会で予選落ちしたこと。
色々な感情が入り混じってもはや自分でもなんで泣いているかは分からない。
でもやはりおばあちゃんが事故に遭って二度と帰ってこないという事実はあまりにも残酷だった。
「そこにおばあちゃんのお仏壇があるわよ。」
「おばあちゃん・・・」
そのままそっと部屋を立ち去ろうとするお母さん。
「・・・お母さん、ちょっと待って」
「ん、なぁに?」
「あのさ、ぐすん、私のこと応援してくれてありがとう。」
「うん。」
「でも、大会だめだった」
「うん。」
「・・・こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛」
少し広くなったおばあちゃんの部屋に、カメコの泣き声がいつまでも響き渡った。
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