尻が峰緑地公園。

都心から車で40分。

山々に囲まれた自然豊かな公園に娘を連れて遊びにきた田中。

「うさぎ！うさぎが見える！」
都会では見ることのできない景色に興奮した娘は芝生の上を走り出した。

田中はそんな娘に向かって「危ない！」と叫んだ。

いま田中たちがいる場所は一面に芝生が広がっており、急な斜面や段差、石ころ、落とし穴なんてものはなく、危ない人物、危険な野生動物、毒虫などもいない。
そもそも田中と娘以外に重要な登場人物はいない。

田中に至っても別に特段過保護ではない、割と放任主義で、娘が将来彼氏を連れてきたとしても(公務員なら)別に怒ったりしない人物だ。
ボケてもいないし、酔っぱらってる訳でもない。

娘も年は10歳で運動神経も良く、持病があるわけでなく健康そのもの。
手に何か持っているわけでもなく、服装に乱れもない。だからズボンの裾を踏んだり、ほどけた靴紐を踏んだりもしない。
頭の上にも別に何も載ってない。
あと名前がアブ=ナイでもない。

うさぎもいっかくうさぎやアルミラージではない。そもそも当問題に非現実要素はない。

天気もめっちゃ晴れ。雷なんか落ちないし、隕石も落ちたりしない。空気も美味しい。

えーっと他なんかあるか？　ないよな？　よし。

ではなぜ田中は「危ない！」と叫んだのだろうか？

※読んでもらって申し訳ないけど当問題は赤字の文章読まなくても解けます