ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、涙を流しました。
何故でしょう?
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男は海の見えるレストラン「らてら亭」の前に立つと、しばらく店を見つめていた。
学生時代から通い続けた店の最後の姿を、その目に焼き付けようとしているかのようだった。
感傷に浸っていた彼が我に返りドアをくぐると、店内はすでに多くの客で賑わっていた。
彼は店内をぐるりと見まわすと、友人たちが集まったテーブルを見つけ空いている席に座った。
友人たちと乾杯を済ませ、しばらく談笑した後に、彼は店の名物である「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだところでその美味しさに驚いた彼は、飲むのを止めてシェフを呼び尋ねた。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
「いつもと味が違うように感じるのですが。」
「本日は店を支えてくださった皆様へお礼の意味を込めて、最高級のウミガメを仕入れましたので。お気に召していただけたなら何よりです。」
「そうでしたか。いや、本当に美味しいです。やっぱりこの店は最高ですね。」
日付が変わる頃、閉店時間を迎えた「らてら亭」は長い歴史の幕を閉じた。
男は勘定を済ませ、帰宅した後、独り思い出を振り返りながら、込み上げてきた寂しさに思わず涙を流すのだった。
簡易解説
閉店したレストランでの思い出を振り返り寂しさが込み上げてきたから
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