蜘蛛の糸をせっせと登っていたカメダタ。
ふと下を覗くと、一人の男が糸の末端にしがみついているのが小さく見える。
糸は細く頼りない。
耐えられるのは大人一人分の重さ程度と聞く。
このままでは蜘蛛の腹の先からプツリと切れてしまうだろう。
その時、カメダタの中に僅かに残っていた良心が「男を救え」と彼に告げた。
ああ、そうか。
極楽へのこの道をあの男に譲れば、たとえ地獄へ戻ろうとも、俺は人間の矜恃を持って過ごしてゆける。
すなわち、俺もまた救われるのだ。
そう信じたカメダタは、己の良心に従い蜘蛛の糸から手を離した…
結論から述べると、カメダタも男も救われなかった。
なぜか?
ふと下を覗くと、一人の男が糸の末端にしがみついているのが小さく見える。
糸は細く頼りない。
耐えられるのは大人一人分の重さ程度と聞く。
このままでは蜘蛛の腹の先からプツリと切れてしまうだろう。
その時、カメダタの中に僅かに残っていた良心が「男を救え」と彼に告げた。
ああ、そうか。
極楽へのこの道をあの男に譲れば、たとえ地獄へ戻ろうとも、俺は人間の矜恃を持って過ごしてゆける。
すなわち、俺もまた救われるのだ。
そう信じたカメダタは、己の良心に従い蜘蛛の糸から手を離した…
結論から述べると、カメダタも男も救われなかった。
なぜか?
22年06月07日 23:45
[きまぐれ夫人]
【ウミガメ】【闇スープ】
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