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ある時、娘を亡くして傷心していた男の前に悪魔が現れてこう言った
「お前の願いをなんでも一つ叶えてやろう。代わりに人間の命を生贄として私に差し出せ。」
娘を生き返らせたいと思った男は、その願いをかなえるため、女を攫ってきて生贄として悪魔の前に捧げた
すると、生贄を食らった悪魔が男にこう言った
「お前は特別に願いを二つ叶えてやろう。」
しかし、結局娘を生き返らせるという男の望みは叶わなかった。
一体なぜ?
SP:うつまさん、天童魔子さん 、マクガフィンさん *3/14(月)22:00 まで
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以下駄文
「お前は特別に二つ願いを叶えてやろう。」
それは男にとって願ってもない話だった。男は幼くして娘を失ったが、娘が死ぬ以前に妻にも病気で先立たれていた。もし悪魔の言うことが本当であれば、娘と妻の二人を生き返らすことができるはずだ
しかし何故二つなのかと疑問に思い男が尋ねると、悪魔はこう答えた
「お前は生け贄を二つ差し出したではないか。」
何を言っているのかと初めは首を傾げたが、やがて男は気付いた
女のお腹には赤ちゃんがいたのだと。
自身も娘と妻を亡くしていただけに、母親の命だけでなく、お腹の子の命までも奪ってしまったという事実は、男の心を罪悪感と後悔で埋め尽くしていった
男は罪の意識に囚われながら、頭に浮かんだとある選択肢から目を背け、走馬灯のように脳裏に駆け巡った遠い日の家族との思い出に逃れようとする
思い出の中では、娘と妻が楽しそうに笑っていた
しかし、何故だろう。その笑顔は、そこにいたはずの自分には向けられていないように感じた。罪を犯した男を、まるで拒絶しているかのように
「さぁ、望みを言え。お前の願いはなんだ?」
迷うな、言うんだ。妻と娘を生き返らせると
「私の願いは…」
…
〜-〜ー〜-〜-〜-〜-〜-
「ママ見て〜!綺麗なお花見つけたの!」
「あら、綺麗なお花ねぇ。パパにも見せてあげたらきっと喜ぶわよ」
「うん!パパにも見せてくる!」
嬉しそうに駆けていく娘を見守りながら、女が庭掃除を続けようとしたその時、門の前からこちらを見つめている男の存在に気が付いた
女は警戒して男に怪訝な目を向けたが、男はただ女に深々とお辞儀をしてその場を去っていった
顔がよく見えなかったが、知り合いだっただろうか。
そういえば、どこかであったような気がする…
「ママー!パパが綺麗なお花だねって褒めてくれたよ!あと、お腹減ったってパパ言ってたから早くご飯にしよ!」
「はいはい、お腹が減ったのはあなたでしょ。すぐに支度するからお家で待ってなさい」
「えへへ、はーい」
男のことなどすっかり忘れて、女は慌ただしく掃除を終わらせた。そして、お腹を空かせているであろう愛しい娘と夫の待つ家へと帰っていくのだった
簡易解説
生け贄の女はお腹に赤子を抱えた妊婦であった。悪魔の発言からその事実に気付いた男は罪悪感に耐えられず、2つの願いを使ってその母親の命とお腹の子の命を生き返らせた。結果、2つまでの願い事を使ってしまった男は、娘を生き返らせるという当初の願いを叶えることができなかったのだった
物語:3票納得:1票
物語部門
霜ばしら>>
同じ状況でも違う選択をする人はいると思いますが、この男はこういう流れでこの選択をしたのだなというのが伝わってくる好みの物語でした。