三浦が店長を務める、ある田舎町のコンビニに、鈴木というアルバイトが入ってきた。
この鈴木という男は、若いながら、恐ろしく仕事の覚えが悪く、動作も鈍く、
時々ボーっとしている事がある、優秀とは言えないスタッフであった。
鈴木は当初、地元の名門私立大学・R大学の学生と名乗っていたが、
この地域では、大学進学者自体多くなく、地理的にもR大学や他の大学から近いわけではなく、
少なくとも大学に入学しながらこの地域で暮らす者は珍しい。
三浦が本人によく話を聞いたところ、
鈴木は国内最高学府であるT大学を目指していたものの、昨年の受験に失敗、
ひとまず入学したR大学には全く通っておらず、
来年度のT大学入学を目指して、アルバイトをしながら受験勉強を続けているのだという。
この奇妙な話に三浦や他のスタッフは半信半疑であったが、
この他にも、支離滅裂な発言や 唐突な感情の変化などが時々見られ、
その仕事ぶりの悪さも相まって、鈴木は職場で敬遠される存在となっていた。
鈴木は、数か月コンビニで働いた後、年を明けた2月にアルバイトを辞めた。
それから半年過ぎた夏、コンビニに鈴木が訪ねてきて、
あれから無事T大学に合格して入学し、現在夏休みで帰省している事を報告した。
そして、入学式に満開の桜の下で撮ったという写真を 三浦に見せながら、機嫌よさそうに笑った。
「皆さんもT大学の近くに遊びに来てくれたら、僕がいつでも案内してあげますよ」
この時三浦は、鈴木の話がデタラメだったのだと確信した。
なぜか。
この鈴木という男は、若いながら、恐ろしく仕事の覚えが悪く、動作も鈍く、
時々ボーっとしている事がある、優秀とは言えないスタッフであった。
鈴木は当初、地元の名門私立大学・R大学の学生と名乗っていたが、
この地域では、大学進学者自体多くなく、地理的にもR大学や他の大学から近いわけではなく、
少なくとも大学に入学しながらこの地域で暮らす者は珍しい。
三浦が本人によく話を聞いたところ、
鈴木は国内最高学府であるT大学を目指していたものの、昨年の受験に失敗、
ひとまず入学したR大学には全く通っておらず、
来年度のT大学入学を目指して、アルバイトをしながら受験勉強を続けているのだという。
この奇妙な話に三浦や他のスタッフは半信半疑であったが、
この他にも、支離滅裂な発言や 唐突な感情の変化などが時々見られ、
その仕事ぶりの悪さも相まって、鈴木は職場で敬遠される存在となっていた。
鈴木は、数か月コンビニで働いた後、年を明けた2月にアルバイトを辞めた。
それから半年過ぎた夏、コンビニに鈴木が訪ねてきて、
あれから無事T大学に合格して入学し、現在夏休みで帰省している事を報告した。
そして、入学式に満開の桜の下で撮ったという写真を 三浦に見せながら、機嫌よさそうに笑った。
「皆さんもT大学の近くに遊びに来てくれたら、僕がいつでも案内してあげますよ」
この時三浦は、鈴木の話がデタラメだったのだと確信した。
なぜか。
21年04月09日 22:49
[油獣]
【ウミガメ】
【ウミガメ】
物語部門
納得感部門
良質部門