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天使に導かれた死者が、天国の門を目指して最後に登る『天国への階段』。
ある日、ひとりの男が天使に連れられてこの階段を訪れた。

「この階段が、美しき天国を目指す為の最後の試練です。覚悟の程はいかがですか?」

いざ天国の階段を目の当たりにして男は驚きを隠せない。
自らの罪がそのまま険しさとなって立ちはだかるこの階段の変貌ぶりに、天使も思わず息を飲む。

「…憎むならこれまでの貴方の行いを憎みなさい!
それでは、私は上でお待ちしています。」

そう言うと天使は男を残して階段へ向かったが、
天使には自由に飛べる翼があるにも関わらず自らの足で一歩一歩階段を進み、
しかも男が後を追ってくることはないと既に確信していた
という。

死者を導く時にはそうするというルールも別に無いのだが、
では一体なぜ天使がこんな苦労をするのだろう?
[おしゃけさん] [★三つ星シェフ]

【ウミガメ】21年03月20日 20:42
解説を見る

天国大掃除の日、担当だった『天国への階段』の掃除をサボっていたのがバレた天使は、大掃除リーダーの人間に上から見張られながら一人で徹底的に掃除をさせられることになった。


ーーーーーー

★天国大掃除のお知らせ★
下記日程にて、全員参加の大掃除を行います。
各自、下記分担表に従い清掃を行なってください。
◾️掃除分担表
・人間→居住区及び共用区
・天使→所属の業務施設

ーーーーーー
信じられない。なんだこの有様は。
我々人間は一度天国に入れば天国の門から外に出る理由はない。
今回の大掃除リーダーを任された私は、途中でふと普段目にしない階段の様子が気になり、暇そうにしていた階段掃除担当の天使を捕まえて門の外まで連れてきて貰ったが…

足跡、泥、水垢、煙草の吸い殻エトセトラ!
階段の上から軽く眺めるだけでこの有様なのだ。新たな死者でごった返す下の受付あたりはもっと凄惨だろう。
かつての美しかった天国への階段は、天使どもの日頃の怠慢で見る影もなくなっていた。

「今日は皆、掃除を頑張りここ以外は全てピカピカになりました。
この階段が、美しき天国を目指す為の最後の試練です。覚悟の程はいかがですか?

掃除をサボっていた担当天使に向けて、私は冷たく言い放つ。
仕事は仕事で、大掃除のリーダーは私だ。人間も天使も関係ない。
日頃の怠慢がそのまま掃除の苦しさとなり、そんな醜く変わり果てた階段掃除の義務に直面した天使は息を飲む。

「あの〜〜〜…人間さん、少しくらい手伝ってくれたり…?」
「天国勤めだからって頭までお花畑なんですか?
我々人間が掃除とはいえ天国への階段を降りていい訳がないでしょう。
私に死ねというんですか…いや、もう死んでますけど。
憎むならこれまでの貴方の行いを憎みなさい!
…それでは、私は(このまま)上でお待ちしています。


私がそう言うと、天使は私を背に渋々階段に向かい、階段を一段一段降りながら丁寧に拭き掃除を始めた。


「ああ、下からの帰りは業務用エレベーターで結構ですよ。では頑張ってください。」
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