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田中はエスカレーターを逆走しながら、「ヒュンガラモッケ、ヒュンガラモッケ」と連呼している。
何故だろう?
(言うまでも無いことですが、本問は非推奨問題です。)
解説を見る
一行解説
上り下りのエスカレーターですれ違ったヒュンガラモッケさんを呼び止めるため。
蛇足説明
本問は、非推奨問題例の「例11 偏った価値観を必要とする」に抵触するかと思いきや、実は「例19 強引な固有名詞トリック」に抵触していたんだよ!な・・・なんだってー!!というネタでした。
うん、言わなくても分かるよね、ごめんなさい。
読まなくても良いストーリー
ヒュンガラモッケ「ねえ、分速30メートルなんだって。」
田中「えっ、なに。」
ヒュンガラモッケ「エスカレーターの動く速度。分速30メートル(ただし勾配30度の場合)。」
――――――――――――
20年後。田中は空港にいた。
昔から好きだったエスカレーターへの興味から、大手建設会社に就職した田中は、このたび、一大プロジェクトの責任者に抜擢され、某国への海外赴任を命じられていた。
プロジェクトは長期にわたるもので、少なくとも10年間はこの国に帰って来られないだろう。あるいはそのまま二度と帰って来ないかもしれない。
早くから世界を舞台に活躍したいと思っていた田中にとって、この国を離れることはさほど苦ではない。むしろ新天地で自分がどこまでやれるか、期待に胸躍る心持ちだった。
だが、田中にはひとつだけ心残りがあった。小学生の頃に仲の良かった女の子、ヒュンガラモッケのことである。
彼女とは何故か気が合った。ひょっとしたら、彼女も僕と同じように、どうしようもないくらいエスカレーターが好きだったからかもしれない。
彼女とは転校が原因で離ればなれになってしまったけれど、今から思い返すと、唯一僕が心から愛した女性だった。
今、彼女が僕のことをどんなふうに思っているかは分からない。ただ、小学生のあの頃、僕たちの気持ちはひとつだったと今でも信じている。
そんなセンチメンタリズムに浸りながら、田中は搭乗口に向かうエスカレーターを昇っていた。
その中腹、向かいの下りエスカレーターに乗った女性とすれ違った瞬間、田中に電撃走る・・・!
田中「あの横顔、あのはにかんだ様な表情、そしてあのアホ毛・・・。間違いない、ヒュンガラモッケだ。」
どうしよう、追いかけようか?いや、もう彼女は僕のことなんて何とも思っていないかもしれない。それどころか、僕のことを覚えてさえいないかもしれない。子供の頃の初恋を引きずっているなんて、所詮は僕の一人相撲に違いない。それなら思い出は思い出のまま、そっとしておいたほうが良いんじゃないか・・・。
だが、もしそうではなかったとしたら。万が一にも、彼女も僕のことをまだ想っていてくれたとしたら・・・。
田中は決意した。そうだ、これは僕に訪れた、一生に一度しかないフェアリーテイルなんだ。この機会を失うわけにはいかない。
エスカレーターが上階に到着してから引き返したのでは間に合いそうもない。田中は無我夢中でエスカレーターを逆走しながら叫んでいた。
「ヒュンガラモッケ、ヒュンガラモッケ、ヒュンガラモッケーーーーーーー!」
たぶん映像はスローモーションになってた。なんなら山崎なんとかさんの曲とか流れてたと思う。こんなとこにいるはずも無いのに。
果たして、田中はヒュンガラモッケと再会できたのだろうか。そして、田中の初恋の行く末は。それはまた別のお話。
うん、ごめんなさい。だから読まなくて良いって言ったのに。
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トリック部門
キャノー[『★良質』]>>
らてらての非推奨問題例を知っている人にしか伝わらない内輪ネタですが、だからこそ面白い。最高に騙されました!