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ミケランジェロの慟哭」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
国内でも数少ない像職人、マクガフ。

ある年、国王から彼に、国の中央広場に設置する純金製の国王像を造ってほしいとの依頼があった。
しかしその像を造る費用としてマクガフが提示した予算は莫大なものであった。

そのあまりの金額に難色を示す国王の前に、一人の彫刻家が現れる。
彼はマクガフの提示した予算よりはるかに少ない金額で黄金に光り輝く像を造り、国王に献上した。

たいそう喜んだ国王は彼を重用する一方、マクガフを予算を偽って王から金銀を騙し取ろうとした詐欺師だと断じた。
無実を訴えるも耳を貸してもらえないマクガフは、家族もろともその国から追い出されることとなる。

その決定を聞いたマクガフは、出国までの間に、『広場の国王像に願えばどんな病気や怪我でも治る』という噂を国中に広め、国王や像の素晴らしさを皆に説いてまわった。

一体なぜ?
[「マクガフィン」] [☆☆編集長]

【ウミガメ】【闇スープ】20年12月26日 20:33

様子を見ながら本日の23:30を目処に締め切りなのです。

解説を見る
マクガフは激怒した。

純金製の大きな像を造ろうとすれば、これだけの値段がするのは当然のこと。詐欺師などと言われる筋合いはない。
むしろたったあれだけの金額で像を造ったあの男。彼こそが、安価な金属像の表面を金で覆っただけの詐欺師に違いない。

像をよく調べればすぐにわかるだろうが、疑われている身で何を言おうとも聞き入れてはもらえまい。そう考えたマクガフは、疑いを晴らすことを諦めた。国に残ることを諦めた。

そして国王や広場の像を褒め称えてまわった。こんな噂と共に。
『広場の国王像に願えば、どんな病気や怪我でも治るという。像の患部にあたる部分を撫でれば、その聖なる力があなたの身体を癒すであろう。』


多くの人が訪れるたび、多くの人が手を触れるたび、像の塗装が、詐欺師の化けの皮が、ほんの少しずつ剥がれていく。
そしていつの日か、綺麗に飾られたうわべの奥から、その鈍く光る正体が白日の元に晒されることを願って。

何年、何十年、いや、何百年かもしれない。
王も詐欺師も、マクガフでさえもきっと生きてはいないだろう。こんな事件があったこと自体、もはや歴史上の些事かもしれない。

だがそれでいい。
あの像が偽物だと証明されたなら。
王の誤りに見知らぬ誰かが気づいたなら。
彼の、彼の一家の潔白が、確かなものになるのだから。



国を出るとき、彼は空に向かって叫んだ。
それは未だ見ぬ遠い未来への祈りにも似た、誇り高き男の叫びだった。



《一文解説》
多くの人に像に手を触れさせることで、像の金メッキを少しずつ剥がし、はるか未来にマクガフ一家の汚名を雪ぐため。
トリック:2票物語:3票納得:2票
全体評価で良質部門
トリック部門
アカガミ[1問正解]>>コメントなし
休み鶴>>見えている情報はすべて事実です。しかし、事実だからと言って主観と客観の両方の観点において常に正しいとは限りません。
物語部門
うつま[☆2023良いお年を]>>スケールが壮大!
アカガミ[1問正解]>>コメントなし
異邦人>>コメントなし
納得部門
アカガミ[1問正解]>>コメントなし
異邦人>>コメントなし