「Self Report」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
宇宙船の中で共同生活を送る10人の船員たち。
コウタはあるとき、些細なことから船員のヒロキと言い合いになってしまい、カッとなってヒロキを突き飛ばし、殺してしまった。
しかしコウタがヒロキを殺すところを目撃していた船員たちは皆、コウタに口々に感謝した。
ヒロキが全員から嫌われていたというわけでもないし、何故だろう?
好きなゲームAmongUsをテーマにした問題〜!(ゲームについての知識は不要です。)
解説を見る
要約解説
コウタはヒロキを突き飛ばし、気絶させた後、第一発見者を装いみんなを呼んだ。そして全員が見守る中、人工呼吸や心臓マッサージを行い蘇生作業するフリをし、気づかれないようにヒロキの命を絶った。そのことを知らないメンバーは、助からなかったとはいえ懸命に蘇生作業をしてくれたコウタに感謝した。
長っがい解説
ついカッとなってヒロキを突き飛ばしてしまった。いつもならよろめく程度で済むくらいの力だったはずだが、何しろここは宇宙船の中だ。踏ん張りが効かないヒロキは真っ直ぐ壁に飛ばされ、突き出ていた計器のスイッチか何かに頭をぶつけてしまった。当然聞こえてくるはずの叫び声や呻き声すら挙げなかったのは、当たりどころが悪かったのだろう。
コウタは頭が真っ白になった。地上で研究医として勤務した経験のあるコウタには、脳震盪だろうと見当がついた。物が重力で落ちてこない無重量の宇宙船内では、頭に強い衝撃が加わって発生する脳震盪は起こり得ない。起こるとすれば、他者の意思が介在するーー。
幸い誰も現場を見ていない。何食わぬ顔で船内作業に戻ろうか。しかし、部屋から出てきたところを他の船員に見られても、後で怪しまれるだろう。そう言えばコウタがヒロキと一緒にいたーーそんなことを証言されては、自分に疑いの目がかかるのは避けられない。
部屋にある排気口のダクトは人1人通れるくらいの幅があり、医務室と電気室に繋がってはいたが、そんなところを通っているところを見られてしまった日には自分が怪しいと公言しているようなものだ。
ここから逃げおおせることは不可能に近い。
ならばいっそーー。
コウタは、自らの手で、緊急事態発生を知らせるスイッチを押した。第一発見者を装ったのだ。
程なく、他の船員が集まってくる。コウタは自分が突き飛ばした部分は隠し、急にヒロキが胸を掻きむしり暴れ出し、やがて静かになった旨を説明した。幸い誰も怪しむことなく話を聞いてくれたようだ。
しかし、脳震盪は数分で意識が復活する。
ヒロキが目を覚まし意識を取り戻せば、私が突き飛ばしたことを証言してしまうだろう。
そうなってしまっては困る。
できる限り危険を排除する必要のある宇宙船生活において、カッとなっただけで仲間に危害を加えるような危険人物は邪魔としか言いようがないだろう。
コウタは自らの手でヒロキの心臓に手を触れる。幸い、いや生憎ヒロキの心臓は脈動を続けていた。これを止めなければならない。
「心臓が動いていない!」
そう叫ぶと、コウタは心臓マッサージと人工呼吸を始めた。
正常に動いている心臓に心臓マッサージをすると、本来の脈動を邪魔しかねないため非常に危険な行為である。また、コウタは人工呼吸を行うふりをしながら、自らの口でヒロキの口を塞ぎ、息を殺し続けた。
これによってヒロキの体内に酸素が行き渡るのを阻害し続けたのである。
船員は皆、人命救助の訓練を行っている。しかし、地上で行うのと無重量の宇宙船内で行うのでは勝手が異なる。唯一医療に携わった経験のあるコウタの蘇生作業、いや絶命作業を、皆固唾を飲んで見守っていた。
懸命な作業の甲斐もなくーーいや、甲斐あって、ヒロキはその生命活動を終えた。
皆はヒロキのことを惜しみ、とても悲しがった。コウタも、事実1人の仲間を失ったことはとても悲しく心苦しかった。
船長がコウタに向かって、最後まで諦めずに蘇生作業をしてくれたことに対し、感謝の意を表してくれた。皆も口々にヒロキに感謝してくれた。コウタがヒロキを殺したんだ、と詰る者は1人もいなかった。
宇宙の旅は終わらない。
ヒロキの死体は、放っておくわけにはいかない。船員たちはヒロキの死体を等身大のケースに入れ、原子炉で火葬することにした。八方を囲み、ヒロキの棺を原子炉に投入した。巨大なエネルギーの塊は、ヒロキの体をすっぽり飲み込み、わずかな推進力に変えてしまった。
目的地に辿り着くまで、残された9人での共同生活を頑張ろう。
皆の心が1つになった。
そのとき、酸素室から減圧を知らせるブザーが鳴り響いた。
慌てて酸素室に向かう8人の船員を眺める1組の眼光が、排気口の底でキラリと光った。
トリック:3票物語:1票良質:3票
物語部門
suya>>
あの後(問題解決の後)、AmongUSを調べてみました。題名の「Self Report」って行為があるんですね〜💡面白い。なくても「目撃者が犯人」みたいな概念はあるけど、まさか(この問題では)「殺しているところ」を目撃されているとは……!「感謝しているのは男が殺したことに対してですか?」とか引っかかった部分への基礎質、重要ですね〜!