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「あたしはね、高座の上で死ねるなら、もう言うことはありません。本懐ってもんですよ」

弟子たちに向かって常々そう口にしている落語家、龍宮亭亀太郎。

ところが、ある仲秋の寄席でのこと。

噺の途中、高座の上で亀太郎は突然胸を押さえてうずくまり、動けなくなった。

あわてて駆け寄る弟子に、

「こんなところでは死ねない。こんなところでは死ねないんだよ」

と苦し気に訴え、なんとか這いずろうとする。

弟子たちも師匠の体を必死に抱えあげようとしながら、(そりゃそうだ。こんなところで死んじまったら洒落にもなりゃしませんよ、師匠)と考えている。


冒頭の亀太郎の言葉に嘘偽りは無いとすると、いったいどういうわけだろう?
20年11月05日 00:08 [きまぐれ夫人]
【ウミガメ】
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