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とある有名な写真家が、とある公園で撮った二枚の写真。
両方ともに親子と思われる二人の人物が写っていて、ピントもずれていれば構図もめちゃくちゃである。
だがこの二枚の写真は、見た人の心を大きく揺らした。
いったいなぜ?
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真新しい公園の遊歩道で、一人の父親が自身の息子にカメラの使い方を教えていた。
「…せるふたいまー?お父さん、僕にやらせて、僕が撮る!」
「ははっ、わかったよカメオ、好きに撮りなさい」
5・4・3・2・1・パシャ
「…うーん。なんだかブレているし二人とも端っこに写ってるけど、これはこれで味があるね」
「お父さんのイジワル!下手って言いたいんでしょ!絶対うまくなってやるからね!」
「じゃあカメオがもっと上手になったら、また一緒に写真を撮ろうか」
「うん!約束だよ、お父さん」
こうして幼いカメオはカメラと出会い、自身の原点となる最初の一枚が撮られたのであった。
あれから20年。
カメオの父は早くに亡くなってしまった為、約束が果たされる事はなかった。
それでもカメラの腕を磨いて、プロのカメラマンとなったカメオは
最愛の息子、ウミオを連れて古びた公園の遊歩道で写真を撮った。
5.4.3.2.1.パシャ
「すごい!なんでパパも一緒に写ってるの!?」
「これはね、セルフタイマーって言うんだよ」
「…せるふたいまー?」
当時の俺と同じように、目を瞬かせながらウミオが答える。
そしてウミオは当時の父と同じようにこう言った。
「何かぼやけてるし、僕たちが写ってるの端っこじゃん!パパの下手っぴー!」
「ははっ、厳しいな、ウミオは。じゃあパパがもっと上手になったら、また一緒に写真を撮ってもいいかい?」
「しょうがないなー、パパは。でも、わかったー!約束する!」
その言葉に何とも言えない懐かしさを感じながらカメオは思った。
(20年後、今度こそ約束を果たそう)
と。
どこかノズタルジックでありながらも、続く未来を感じさせるこの二枚の写真は
見た人の心を大きく揺らした。
簡易解説
写真の一枚は二十年前に撮られたもので、幼いカメオが父と一緒に写った写真。
セルフタイマーで撮られたそれは、ピントもずれていて構図もめちゃくちゃであった。
もう一枚は現在プロのカメラマンとなったカメオが、自身の息子であるウミオと一緒に写った写真。
同じ公園、同じアングル、ピントのずれや構図の拙さなど全てが高い技術で再現されていた。
どこかノズタルジックでありながらも、続く未来を感じさせるこの二枚の写真は
見た人の心を大きく揺らした。
物語:4票