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お洒落をしたい年頃のルリは、両親に流行りの可愛いアクセサリーを強請ったが買ってもらえなかった。
代わりに渡されたのは、母が作ったであろう手作り感が漂う帽子。
お洒落とは程遠いそれを見て、ルリは
「こんな物かぶるわけないでしょ!?」
と怒り、それを決して身につけようとしなかった。

ところがある日。とある物を見たルリは涙を流した。
そしてそれ以降、毎日のように手作りの帽子をかぶったという。

ルリの家は貧乏で、アクセサリーが買えないというわけではなかった。
では、一体何があったのだろう。
[神無月はる]

【ウミガメ】20年09月09日 00:19

のんびり回答していきます!ぐつぐつ。

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ルリは病気で入院していた。初期段階の癌であった。薬で治療をすることになり、ルリは孤独と不安で一杯だった。
ずっと真っ白な病室の中。好きなファッションを楽しむことも出来ない。ルリはせめて髪だけでも、とヘアアクセサリーのバレッタを両親に強請ったのだった。
ところが渡されたのは毛糸の帽子。お洒落とは程遠い物だった。
母親が作ってくれたことはとても嬉しかった。それでも、外にも出られないのに何のために帽子をかぶるのか。
ルリは、「長い間入院するんだから、こんな物かぶるわけないでしょ!?」と両親に怒りをぶつけた。2人は何も言わなかった。

ところがある日、鏡を見たルリは異変に気づいた。
「髪が、抜けてる…」
髪を掴んで引っ張ると、沢山の抜けた髪の毛が手の中にあった。
(そうか、抗がん剤治療は髪の毛が抜けてしまうんだ。)
お洒落をすることが好きだったルリは愕然とした。
なんでお父さんとお母さんは言ってくれなかったのか。そこまで考えて、ルリはハッとした。

言わなかったんじゃない。言えなかったんだ、と。

お洒落が好きなルリの性格を、両親が知らないわけが無い。きっと、傷つくと思って言えなかったんだ。
じゃあ、強請ったバレッタを頑なに買ってくれなかったのは。
…髪の毛が少なくなって付けられなくなった時、余計に私が悲しむからだ。

いつの間にか、鏡の前で私は泣いていた。そして思い出したように涙を拭いながら、ずっとしまってあった毛糸の帽子を取り出す。
母が縫ってくれた帽子。

少なくなった髪の毛を隠すためだけの物とは思えなかった。ましてや、多額の治療費がかかるから、という経済的な理由で手作りした物でもない。
こんな帽子なんて要らないと叫んだ日の、両親の悲しそうな顔を思い出し、ルリはそう確信した。
涙がどうしても止まらなかった。

早く病気が治りますように。
そう願いを込めて作られた、世界で一つだけの無償の愛だ。
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