(今、2人いるよ)
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中学2年生のカメオは席替えでカメコと隣の席になった。カメコは成績優秀だが、人と話すのがあまり得意ではないようで口数も少なく、とても大人しい女の子であった。友達もいないようで、学校でも一人で過ごしていた。カメオはなぜかそんなカメコのことが以前から気になっており、席替えで隣になったことも秘かに嬉しく感じていたが、初めのうちは二人が会話することは全くなかった。

ところがある日の休み時間のこと、クラスの皆が次の授業の準備をしている中で、カメコは席に座って俯いたまま何も準備をしていなかった。それを見たカメオは、「…もしかして、教科書を忘れてきたの?良かったら、見せてあげようか…?」と恐る恐る声を掛けた。
カメコは一瞬驚いたようにカメオを見ると、すぐにまた俯いて、そして小さく頷いた。
それ以降も、カメコが教科書や筆記用具を持っておらず、カメオが貸してあげるということが度々あった。

そのしばらく後、とある真実を知ったカメオは、「カメオくん、いつも教科書や筆記用具を貸してくれて、本当にありがとう」という一文を読んで自らの行いを酷く後悔することになる。
一体どういうことか。
[ブラダマンテ] [一つ星シェフ]

【ウミガメ】20年09月02日 21:10

「ありがとう」って言うから心が砕けて 新しい言葉探してる

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FA要素
・カメオはカメコの気を惹くため、度々カメコの教科書等を隠しては、平静を装って困っているカメコに自分の物を貸すという自作自演を行っていたこと(カメオが後悔した「自らの行い」の内容)
・カメコはカメオの行為とは別に元々から陰湿ないじめを受けており(「とある真実」の内容)、カメオの行為もその一環であると勘違いしていたこと
・カメコが最終的に自殺してしまったこと
・カメコは最後まで持ち物隠しの犯人がカメオであると気付かず、自ら書き残した遺書にカメオへの感謝の言葉を記していたこと


それは、軽い気持ちでやってしまったことでした。
僕は彼女と仲良くなりたいと思っていました。会話するきっかけが欲しかったのです。
ほとんど人と話さない彼女に対して普通に話し掛ける勇気など、僕にはありませんでした。そんな時に、思い付いてしまいました。
「彼女が人と会話せざるを得ない状況を作ることが出来たなら?例えば、授業の直前になって突然教科書や筆記用具が失くなっていたら、いくら彼女でも隣の席の人に頼らざるを得ないはずではないか?」
そして僕は、それを実行してしまいました。端的にいえば、彼女の持ち物を盗んで、隠しました。そして困り果てている彼女に対し、何も知らない振りをして、僕の持ち物を貸してあげました。自作自演、というものだと思います。
授業が終わった後で彼女が見付けることが出来るように隠し場所は簡単な所にしました。それでも悪いことに変わりはないので、次の席替えで席が離れたり、彼女と普通に話せるようになったりしたら、もうこんなことはやめるつもりでした。
…ただ、僕には知らなかったことがありました。それは、彼女が他のクラスメイトの女子から…その、そういうことです。
はっきり口にするのは控えさせて下さい…。

「それ」は中学1年生の頃から始まっていたのだそうです。確かに、大人しい彼女は「それ」の格好の標的だったのかもしれません。徹底して人目を避けて陰湿に行われていた上に、大人しい彼女は声を上げることが出来なかったので、僕を含めた多くの人が「それ」に気づくことが出来ませんでした。初めのうちは、無視されたり、陰口を叩かれたりというのが主で、たまに人目のつかないところに連れて行かれて…ということもあったみたいです。誰かに助けを求めることも出来ずに内心では苦しんでいたようです。
そして、中学2年生になってから新しく、「教科書や筆記用具を隠される」というのが始まったそうです。せめて勉強だけでも頑張りたいと思っていた彼女にとってこれは相当堪えたみたいです。さすがの彼女も、勇気を出して勉強道具を隠すことは辞めるように「それ」の主犯格らに対して頼み込んだそうですが、「何の事かさっぱり分からない」「被害妄想が激しい」などと笑われ、相手にされなかったのだそうです。それからまた主犯格らからの「それ」も酷くなったのだとか…。
以上のことは、全て彼女の書いた遺書に記されていたことです。そう、ある日彼女は…屋上から……。

遺書の中身を知った僕は、ただ愕然とするしかありませんでした。彼女がそんな状況にあったなんて、本当に知りもしませんでした。勉強道具を隠すことを辞めるように主犯格の生徒に頼んでも、無意味なのは当然ですよね。だって、それは他ならぬ僕がやったことなんですから!知らなかったとはいえ、僕は「それ」の片棒を担ぐことになってしまっていたんです。…本当に、バカなことをしてしまいました。
でも、何も知らない彼女は、遺書の最後にこう記していたんです。

「カメオくん、いつも教科書や筆記用具を貸してくれて、本当にありがとう」

僕は涙が止まらなくなりました。いくら後悔してもしきれません。僕が彼女の命を奪ったのも同然です。ごめんなさい。カメコさん、本当に、ごめんなさい…。
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