サイトにあなただけ ・ ロビーチャット
いらっしゃいませ。ゲスト様 ログイン 新規登録
「河童」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
子供の頃、僕は河童に襲われたことがある。

川遊びしていたら急に何かに足を掴まれて溺れてしまった。水を飲んでしまい薄れゆく記憶の中で、確かに緑色の人型を見たんだ。

目を覚ませば病院のベッドで寝ていて、溺れた僕を助けてくれたらしい父さんは僕の無事にホッとするのと同時に「貴重な体験をしたな!」と興奮気味だった。
でも僕ぶはただただ怖かった経験でしかなく、父さんが河童の話を嬉しそうするのを「聞きたくない!」と怒ったんだ。
父さんは少しションボリしていたが、「じゃあ、お守りを貰って来るよ」と言うと、どこの神社のだか分からない『水難除守』と書かれたお守りを僕にくれると、それ以降は河童の話をしなくなった。



あれから時が経ち、大人になった僕が息子と川遊びをしていると、急に息子が川の中に沈んだ。
急いで川に飛び込み息子を救出すると、なんと、小さな緑色の人型生物が息子の足を掴んでいるではないか。

とっさに息子を引きはがして距離を取り、何か武器になる物を探しつつも謎の生物から目を離さずにいると・・・
・・・僕は自分が勘違いしていたことに気が付いた。 どういうことか分かるだろうか?
[異邦人]

【ウミガメ】20年08月21日 23:35
解説を見る
息子の足を掴んでいた謎の緑色人型生物。想像より小さいが、間違いなく河童だろう。
近くに棒が無いかと探すが見つからず、そうだ、石を投げようと警戒しながら石を拾った僕の目には、

河童が片足を上に伸ばして悶える姿が映った。

・・・・・・足、攣ってる?

石を投げるのを忘れてしばらく様子を見ていると、ようやく足の痛みが引いたのか太ももをさすり、立ちあがって屈伸運動を始める河童。
そしてこちらを振り向くと、何かをポンと放り投げて来た。驚きつつも受け取ってみると、見た事も無い奇妙な小さな玉だった。

予想外の事態に茫然と河童を見返すと、河童は深々と頭を下げた。
瞬間、頭の白い皿が太陽光を反射して、その眩しさに僕は思わず目を覆う。目が慣れて再び見やると、川に大きな水柱を立てて河童は去ってしまっていた。
息子が水をゲホッと吐く音で我に返ると、僕は急いで救急車を呼んだ。

息子を病院に運ぶ救急車の中で河童に貰った玉を眺めていた僕に、閃きが訪れた。
父さんから貰った『水難除守』と書かれたお守りの口を解くと、中からコロンと出て来たのは、まさしく先ほど河童から貰った謎の玉とよく似た玉。


ああ、そうか。
子供の頃、僕は河童に襲われたことがあると思っていたけれど、河童は僕を襲ったんじゃなくて溺れてしがみ付いたんだ。

あの時、父さんが興奮していた理由が今になってようやく分かったよ。
溺れた息子の無事を祈りつつも、僕はこの話を息子にどうやって伝えようかとドキドキしていた。



『河童の川流れ』+『溺れる者は藁をも掴む』。
納得:1票
全体評価で良質部門
トリック部門
物語部門
納得部門
にばんすんさん>>コメントなし