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自身の経営している焼き鳥屋の出店費用として、銀行からの多額の借金を抱えるヨシコには、ある秘密があった。

店員の一人で、元スリ師のヘイジロウという男が、店の入り口での客引き中に時折、他人のポケットから私物を抜き取っては、後でこっそり彼女に渡してくれるのだ。
彼の腕前は本物で、警察沙汰になる心配はなかったし、むしろ彼の行いがなければ、ギリギリの返済計画の中で、毎月滞りなく借金を返せてはいなかっただろう。

ところが最近、ヘイジロウはこの行為をパッタリとしなくなったらしい。
かと言って、彼の身の上に何か変化があったわけでもなく、ヨシコの店で普通に働き続けていた。
一方、依然としてヨシコには多くの借金が残っており、彼女の唯一の収入源である店の売り上げも、大きく伸びることは期待できなかったという。

そんな中彼女は、店の売り上げが減ってしまう事を、以前ほど心配しなくてよくなったのだと嬉しそうに語っていた。

一体なぜだろうか?
20年08月03日 22:02 [元灯台暮らし]
【ウミガメ】
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