「カメコ」という女性が、娘の「ウミエ」を長年学校にも行かせず監禁していたとして逮捕された。
警察がカメコに事情聴取したところ、カメコは「悲劇のヒロインになりたかった」と語る。
担当刑事はその言葉の意味、ひいてはカメコの動機を測りかねていたが、
趣味の読書のために行った古本屋でカメコが自分の娘を監禁していた本当の理由がようやく分かった。
では、カメコは何故ウミエを監禁していたのだろう?
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カメコはウミエを妊娠していたころに夫と離婚されてしまい、それが大変にショックだった。
しばらくするとカメコは自らの境遇をブログで発信するようになり、
皆が自分に対して温かい応援をしてくれることを喜んだ。
ところが、次第にカメコの中でその喜びが悪い方向に転がり始めた。
すなわち、「もっと自分の悲劇を見てほしい、同情してほしい」という気持ちを芽生えさせ、
ブログに虚偽のエピソードやショッキングな写真を掲載するようになったのである。
それは極限までエスカレートし、ウミエを無事出産したその日のブログで、
ついにカメコは「子供は流産で亡くなった」と書き込んでしまったのである。
このエピソードは当時大変な話題となり、
カメコをモデルにした小説が執筆されるに至りベストセラーになるまでに発展した。
ところが、カメコは下手をすれば自分の身分が特定されかねないことまでブログに書いていた。
ブログはすぐに削除したものの、ウミエが無事なことが世間に知られれば、バッシングは必至である。
カメコは思い悩んだ末、ついに恐ろしい手段に出た。
すなわち、ウミエを世間から隔離し、監禁状態にしておくことである。
こうして、近所の人が異変を感じて通報するまでの数年間、
カメコは「同情を集めるために子供を死んだことにした」という嘘が発覚するのを防ぐために、
ウミエを監禁し続けた。
担当刑事は古本屋でたまたまカメコをモチーフにした小説をそうとは知らずにふと立ち読みし、
その内容がカメコのことを調べるうちに分かった事実とあまりにも一致していたため、
カメコの心理に気付いたのである。
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