男は生き別れた妹と再会して以降、毎朝欠かさず信号機に向かって頭を下げるようになった。何故?
※イナーシャさんの問題です。
解説を見る
ある晩、男は夜中に雨の中、会社から自宅へ車を走らせていた。
雨の中で視界が悪く、男は赤信号を見逃してそのまま車を走らせてしまった。
そのとたん、彼はドシンと衝撃を感じた。
(まさか……)男はあわてて車を止めて周囲を確認する。
彼は予測した最悪の事態がまさに的中してしまったことを知る。
停止した車の横に女が血を流して倒れていたのだ。
「なんてこった……」男はうめいた。
だが仕方がない。男は救急車を呼んで女を救護してもらった。
しかし運命とは意外なもの。
その女こそ、10年前に両親が離婚したときに母親に付いていき
それ以来行方知れずになっていた妹だということを、男は知ることになった。
彼女は彼の車にはねられて怪我をしていたが、幸い命にかかわるものではなく
男はお詫びとして彼女が全快するまで毎日病院に来て世話をした。
それ以来、彼は毎日通勤のため車に乗り、そのときの信号を見るたび思うのだ。
自分がもしあの信号をちゃんと守っていたら、彼女は事故に遭わなかった。
しかし、そうしていた場合は彼は決して妹と再会できなかったろう。
複雑な感情を覚えて、いつも男は頭を下げるのだった。
※最初に考えたのは妹が事故で死ぬ話でしたが、ちょっと悲惨すぎるので変えました
物語:1票