「ウミガメのスープ」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
ある男が海の見えるレストランで『ウミガメのスープ』を注文した。
彼はその『ウミガメのスープ』を一口飲んだところで止め、シェフを呼んだ。
「すみません。これは本当に『ウミガメのスープ』ですか?」
「はい、『ウミガメのスープ』に間違いございません。」
男は勘定を済ませ店を出た後、自殺した。
なぜだろうか?
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俺は米国出身の男。最近、日本人の妻を亡くした。
妻との出会いは、俺が日本へ観光旅行に来ていた時、偶然日本美女な彼女に出会い、恋に落ちたのがきっかけだった。
そのまま俺と妻は駆け落ちした。俺は妻を連れて祖国アメリカへ帰ったんだ。
アメリカで結婚式を挙げたあと、しばらくの間は駆け落ちという禁断の愛という状況もあり、2人の結婚生活は情熱的な愛に満ちていた。
しかし、いつしかお互いに飽きてしまい、妻との会話はめっきり減ってしまった。晩年の2人の関係は冷めきっていたよ。
晩年の妻は認知症を患ってしまい、毎日ベッドでうわ言を言うようになった。うわ言の中でも多かった言葉は「ウミガメのスープが飲みたい・・・」というものだった。
俺はそんな料理を妻と一緒に食べたことなど無い。これはもしや、俺と出会う前に付き合っていた男の思い出でも喋っているのか?俺は腹がたった。だから妻のうわ言など、ほとんど無視し、冷たく接していた。
そして妻は静かに亡くなった。
俺は葬式を済ませたあと、妻の故郷日本に「ウミガメのスープ」を探し求めてやってきた。おそらくそのスープが飲める場所の近くには、妻が死に際に俺よりも優先して思い出していたクソ野郎も住んでいるに違いない。
しかし、ウミガメは絶滅危惧種に指定されている保護動物だ。「ウミガメのスープ」なんてものが飲める場所は、沖縄のごく一部の地域だけだった。
やっとレストランにたどり着いた俺は、早速ウミガメのスープを注文し飲んでみた。
・・・獣臭くてたいして美味くない。
俺はシェフにこれが本物のウミガメのスープであることを確認すると、興味を失い、ホテルに帰ってしまった。
ホテルのベッドで横になりながら俺は考えた。
「妻はなんでこんな美味くもないスープを、死ぬ間際に飲みたがっていたんだ?」と。
俺はふとホテルのPCで「ウミガメのスープ」について調べてみた。
・・・そしてやっと気がついた。
日本では「Situation puzzle(シチュエーションパズル)」または「Lateral thinking puzzle(ラテラルシンキングパズル)」のことを「ウミガメのスープ」とも呼ぶらしい。問題を解くことを「スープを飲む」とも言うんだそうだ。
そういえば妻と仲良く会話していた頃は、こんなクイズゲームで毎日のように遊んでいたっけな・・・。
妻は認知症ゆえに、断片的に記憶が日本に住んでいた頃に戻っていたんだろう。だから、日本独自の「ウミガメのスープを飲む」なんて言葉を使ったんだ。
そうか・・・。妻は死ぬ間際、もっと俺とお喋りしたかったのか・・・。
俺は・・・そんなことすら、分かってあげられなかった・・・。
俺は自分の愚かさと、妻の愛を感じながら一晩中泣いた。
朝が来る頃、俺は妻に会うために、首を吊った。
簡易解答
男は最近、日本人の妻を亡くしたアメリカ人。
妻は晩年、認知症を患っていた。そして妻は死に際に「ウミガメのスープが飲みたい」と男に頼んでいた。
妻の言う「ウミガメのスープ」とは「シチュエーションパズル」のことだったのに、男はそれに気づかなかった。
妻の死後、大して美味しくない本物の「ウミガメのスープ」を飲んだことで全てを悟った男は後悔のあまり自殺した。
物語:2票納得:1票良質:3票
物語部門
休み鶴>>
とても歯応えのある問題です。物語が少しずつ明らかにされていくさまが楽しい逸品。