「宍戸梅子！　ポケットに手ぇ突っ込んで歩くな！」

「るっせぇな！　センコーが威張り散らしてんじゃねぇよ！」

「先公じゃなくて先生と呼べ！　良いから手ぇ出せボケ！」

「誰がボケだ、このクソ野郎！」

ポケットに手を突っ込んだまま廊下を闊歩する不良少女の宍戸梅子に口酸っぱく指導し続ける熱血教師、宮本正志。

全く聞く耳を持つ様子の無い梅子だが、宮本は挫けない。
大人に反抗して粋がったところで大人にはなれないんだと、アウトローを気取っている内に道を踏み外して取り返しの付かないことになるんだと、俺はお前が心配なんだと…………宮本の戦いは続く。


だが、宮本を見かけると梅子がポケットから素早く手を出すようになると、死にはしないとは言え宮本は我が身も心配するようになった。

さて、宍戸梅子がポケットから出した手が握っているものは何だろうか？