みんなのブックマーク

ありふれた言葉「5ブックマーク」
久々の、仕事の休日。

疲れきった体をベッドに預けてまどろんでいた男は
親友の高橋から来たメールの書き出しに涙した。

その書き出しとはどんな言葉だろうか?
男が涙した理由とともに答えよ。
20年10月13日 23:44
【ウミガメのスープ】 []

扉のようなウミガメのような。




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【解答】
「お疲れさま」

(理由)
長い間無職だった男。
その間、『お疲れさま』という社会人の定型文とも言える言葉に対し「働いていないのだから疲れていない」と後ろめたい気持ちを抱いていた。
しかし苦しみながらもまた働き出すことができ、『お疲れさま』という言葉を受けるに値する人間になれたのだという喜びから男は涙した。



【解説】

何がきっかけだったのだろう。
どこで間違ってしまったのだろう。

夜遅くまで仕事をしても捌けないノルマ。目に見えないプレッシャーが胸を押し潰す。
朝、駅のホームで吐き気が襲う。仕事のミスが増え、周りの視線が冷たくなる。
気がつけば人が怖くて仕方なくなっていた。

その恐怖はとうとう日常生活にまで支障をきたし、私は外に出ることすらままならなくなった。
仕事を続けることができず、30を過ぎて無職となった。

毎日が休み。
少しの安堵と、静寂。
そんな日々は一週間もすれば無能感や焦燥感に塗り替えられた。

何も知らない知人は、社会人の定番挨拶「お疲れ!」の書き出しで飲みの誘いのメールを送って来たりしたが、その言葉を見るたびに私の心には冷たい風が吹き荒んだ。
疲れてなどいない。労働していないのだから。
その言葉をかけてもらう資格は今の私には無いのだ。

そんな中、古くからの友人であり親友である高橋は、私の事情を知って定期的に連絡をくれた。
彼は決して「お疲れさま」という言葉を使用しなかった。
私が誰とも話したくないと言って閉ざしたときも、見放さずにそっと時間をくれた。

私は心療内科に通いながら、長い月日をかけて自分自身と向き合っていった。


数年振りに書く履歴書は、手が震えた。
職歴欄で誤魔化しようのない空白の期間は、私が欠陥品であることを相手に伝えているように思えた。
しかし、踏み出さなければ。
この空白は消えることはないのだ。



「また、働き始めたんだ」

その報告を誰より喜んでくれたのは高橋だった。

「よく頑張ったな」

電話越しに声が震えているのがわかった。


長い無職期間を経て再び仕事に励みだした私は、次第に外を歩くことへの抵抗がなくなっていることに気がついた。
仕事をすることで社会に居場所を与えられたような気がした。

ブランクもあり、また慣れない仕事で体力メンタルともにすり減っていく。
そうして迎えた最初の休日は、私にとって久々の"仕事の"休日だ。
くたくたの体をベッドに預け、カーテンの隙間から漏れる光に目を細めてまどろむ。

そのとき、メールの着信音が鳴った。
高橋からだ。


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お疲れさま。
調子はどうだ?
お前のことだから、早く仕事を覚えないとって躍起になってるんじゃないか。
ぼちぼち行けよ。

また、仕事終わりにでも飲みにいこうぜ。
------------------


私が無職になって以来、高橋が「お疲れさま」という書き出しでメールを寄越したのはこれが初めてだった。
とても些細なことなのだが、何気ないその言葉の意味が今初めて深く胸に沁みてくるようで、気がつけば頬を涙が伝っていた。

魅惑の瞳「5ブックマーク」
ある日を境に、上目遣いになることが多くなったと思われる原田さん。
僕はそんな彼女に密かに想いを寄せつつ、
彼女が上目遣いにならないように身長を伸ばしたいと思った。

いったいどういうことか?
20年10月15日 01:02
【ウミガメのスープ】 []



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【解答】
席替えで僕の前の席になった原田さん。
背の高い彼女は、背の低い僕から黒板が見やすいようにと前屈みの姿勢を取るようになった。
目線が下がったぶん普段よりも上目遣いになっているはずで、姿勢を崩させるのはしのびないからもっと自分の身長が伸びてほしいと思った。


【解説】
席替えで僕の前の席になった原田さんは、女子の中でも特に身長が高かった。
そして僕は男子の中でも特に小柄な方だ。

「古賀くん、黒板見える?」
「……見える。何とかね」
「席変わろうか?」
「大丈夫だよ」

そうは言ったものの、原田さんの頭は黒板を絶妙に隠している。くそ、僕がもっと身長が高ければ。


バレー部ですらりと背が高く凛とした原田さんの立ち振舞いを、僕は普段から憧れの目で見ていた。
恋、と呼ぶには少し遠いような感情だ。
授業中もしゃんと背筋を伸ばして姿勢よく前を見ている彼女の姿をよく知っている。

だからこそ。

その日から、彼女に起こった些細な変化は。
僕には十分すぎるくらい大きな変化だった。

だらしない、とまではいかない。けれども確実に、彼女は前屈みの姿勢になった。
そのおかげで僕の視界は開けた。黒板の文字がよく見える。
敢えて何も言わないし、僕も気づかないふりをする。
言葉なき彼女の気遣いは僕の胸をトクリと波打たせた。

目線が下がったぶん、黒板を追う彼女は恐らく普段よりも上目遣いになっているのだろう。
もともと姿勢のいい彼女を猫背にさせるのは心苦しいものがある。

原田さんの厚意を僕はしっかりと受け取りながら、同時に僕がもっと背が高ければと願わずにはいられなかった。

ずぼら系アイドル「5ブックマーク」
『有名人の子ども特集』という{テレビ番組の1コーナーを見た}小学生のマサルは{『なぜ自分がこの番組に呼ばれなかったのか』}と腹を立てた。
これはマサルの生活習慣が{年末年始乱れまくっていた}からだという。
どういうことだろう?
20年10月15日 20:59
【ウミガメのスープ】 [アルカディオ]

いやもうずぼらこそ至高ですよ




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解説
クリスマスイブ、マサルはうまく寝られずにいた。
なんせ今夜、サンタさんがプレゼントをくれるからだ。
時刻は午後11時。小学生ならとっくに寝てていい時間だ。
そして、扉は開かれる。
いい子にしてなきゃプレゼントはもらえない、父に告げられた言葉を胸に一生懸命寝たふりをするマサル。
だがそこにいたのはほかでもない、マサルの父親だった。
普通ならここでサンタクロースの真実について知り、悲しむというのが子供の定めであるがマサルはなんと

『パパがサンタさんだったんだ!さすが!!!』

と、パパ=かの有名なサンタクロースさんだと勘違いをしてしまった。

その日からマサルは自分を『サンタクロースの息子』と考えるようになった。
最近は初代仮〇ライダーが一家で有名になる時代。サンタの息子とあればメディアに引っ張りだことマサルは考えていた。
…が、現実はもちろんそうでもない。
無論パパはサンタクロースなどではなくサラリーマン(31)なのでとても有名人というくくりではない。
そのことを理解できていなかったマサルは今日、ある理不尽に…否、理不尽に見えるありふれたことに腹を立てた。

<{『なんで僕は有名人の息子なのにテレビに出られないの!!!』}>

簡易解説
クリスマスの夜寝付けなかったマサルはサンタの代わりにプレゼントを持ってくる父親を見て父親こそが世界中にプレゼントを届けているあのサンタクロースであると解釈し、サンタの子供として世界から注目されると思っていたが実際にはそうではなかったので腹を立てたのである。
打ち上げパーティ「5ブックマーク」
「打ち上げパーティしようぜ!カメオも来るよな?」

カメオは運動会のあと、クラスメイト達に誘われてファミレスに向かった。

楽しくなりそうだなと期待していたのだが、クラスメイト達全員が集まったファミレスの中で、カメオとウミオとナミオの3人だけが悲しくなった。

いったいなぜ?
20年10月26日 21:23
【ウミガメのスープ】 [琴水]



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仲のいいクラスメイト達のウミオとナミオに誘われて、最寄りのファミレスに入ると

3人以外のクラスメイト達全員が集まって、{3人とは別で}打ち上げパーティをしていた。

声すら掛けてもらってない3人は悲しくなったのであった。
ウミガメのブローチ「5ブックマーク」
初めまして。私はプラミです。
今、とても困っています。

母から譲り受けたウミガメのブローチをなくしてしまいました。
あるとすればラテラル公園だと思うのですが、どこを探しても見当たりません。

らてらての皆さん、どうか探してもらえないでしょうか?

今から朝までに見つけてほしいのです。
よろしくお願いします。

【注意事項】
これは亀夫君問題です。
みなさんは以下の2パターンの行動ができます。

A=【探す・調べる】
具体的な場所やものを自由に指定して、質問者視点で探したり、調べたりできます。
回答は天の声が行います。

B=【聞く・話す】
プラミに自由に質問できます。質問でなくても話しかけたら答えます。

ただし、プラミはある隠し事をしています。それについては、嘘をついてごまかしたり、言葉を濁したりします。

質問の際は、文頭にAもしくはBをつけてください。

なお、本問題は、マルチエンディング形式となっています。

ある行動により、バッドエンドにもなるのでご注意ください。

また、3時間のタイムリミットを過ぎてしまうとバッドエンドとなりますのでご注意ください。

では、トゥルーエンドを目指して頑張ってください。
20年11月01日 22:00
【亀夫君問題】 [ぷらすちっく]

まりむうさんにSPとテストプレイにご協力いただきました!ありがとうございました!




解説を見る
ラテラル公園で死体として発見された海山亀夫は、プラミのストーカーであった。犬の散歩をしてプラミの帰りを待ち伏せるのが日課である。

亀夫は、プラミと顔を合わせるたびに、彼女の服装や髪型、化粧に言及し、やれ可愛いげがないだの、やれそんなんだから彼氏ができないだのと垂れる。

事件が起きた夜も、プラミは大学からの帰りに犬の散歩をする亀夫とラテラル公園で出会った。
「プラミちゃん、大学からの帰りかい。女が勉強しても仕方ないと思うがね。おや、胸にカナブンが止まってるよ。悪い虫さえ寄りつかないのに、本物の虫は寄ってくるんだねぇ。あっはっは」
カッとなったプラミは、つい亀夫を突き飛ばしてしまった。
倒れた亀夫に一瞥もなくプラミは去ったが、公園を出ようとしたとき、胸のカナブンではなくウミガメのブローチがなくなっていたことに気がついた。

亀夫が倒れている現場に戻ったが、ブローチはどこにも見当たらなかった。

幸い、この公園は深夜になれば人通りはまったくない。
プラミは、朝になるまでにブローチを見つけるしかないと考えたのだった。

***
「本当に殺す気なんてなかったんです。でも、捕まるのが怖かったんです。だからなんとしてでもブローチを回収しなきゃって思ってらてらての皆さんに頼りました。
亀夫さんがブローチをつかみ取り、死ぬ直前に犬の首輪に挟んでいたんですね。見つけていただいて、ありがとうございました。
今は深く反省しています」

その後、プラミは自首をした。

{GoodEnd}

***GoodEnd条件解説***
プラミの犯行をあばき、ウミガメのブローチを根拠として提示する。

***BadEnd条件解説***
プラミの犯行を明らかにせず、見つけたブローチをそのまま返してしまう。
→プラミはウミガメのブローチを受け取ると、姿を消した。BadEnd