カメオとカメコは、思い出深い校舎の裏手に立っていた。
付き合って二年の記念日に、カメコが告白したこの地を訪れたのだ。
「あの日も、カメコが俺のシャツの裾を握ったから、思いきって手を繋ごうとしたんだけど、うだうだしてるうちに校門の外にラテオ達の姿が見えてさ。ついカメコから距離取っちゃって、そのままタイミング逃したんだよなあ……あの頃はお互い初々しかったよね」
懐かしい記憶が蘇ったカメオは、カメコと間違えてウミコのことを語りだした。
「私そんなことしてないんだけど……ねえ、誰と間違えてんの?」
身に覚えのないエピソードに、カメオを問い詰めたカメコ。
その結果、先程語ったウミコとのエピソードは、カメコと恋人になってすぐの話だと判明したので、桃色だった空気が一変して地獄のような空気になってしまった。
その後、カメオを奪おうとするウミコが、カメコに危害を加えてきたりしたこともあったのだが、カメオがしっかりとカメコを守り抜いたので、二人の絆はより一層深まったのだった。
現在カメコが、ウミコがカメオに迫ることは金輪際ないと安心していられるのは、彼女が彼の①に執着している①②③だと知ったからである。
①②③に当てはまるワードは何?
(ちなみに、①には、問題文中にある文字が当てはまる。)
「〖 交際一年記念の扉 〗海鮮丼 a.k.a. ???」の一年後の話です。
https://late-late.jp/mondai/show/20637
付き合って二年の記念日に、カメコが告白したこの地を訪れたのだ。
「あの日も、カメコが俺のシャツの裾を握ったから、思いきって手を繋ごうとしたんだけど、うだうだしてるうちに校門の外にラテオ達の姿が見えてさ。ついカメコから距離取っちゃって、そのままタイミング逃したんだよなあ……あの頃はお互い初々しかったよね」
懐かしい記憶が蘇ったカメオは、カメコと間違えてウミコのことを語りだした。
「私そんなことしてないんだけど……ねえ、誰と間違えてんの?」
身に覚えのないエピソードに、カメオを問い詰めたカメコ。
その結果、先程語ったウミコとのエピソードは、カメコと恋人になってすぐの話だと判明したので、桃色だった空気が一変して地獄のような空気になってしまった。
その後、カメオを奪おうとするウミコが、カメコに危害を加えてきたりしたこともあったのだが、カメオがしっかりとカメコを守り抜いたので、二人の絆はより一層深まったのだった。
現在カメコが、ウミコがカメオに迫ることは金輪際ないと安心していられるのは、彼女が彼の①に執着している①②③だと知ったからである。
①②③に当てはまるワードは何?
(ちなみに、①には、問題文中にある文字が当てはまる。)
「〖 交際一年記念の扉 〗海鮮丼 a.k.a. ???」の一年後の話です。
https://late-late.jp/mondai/show/20637

〖 答え 〗 地縛霊
彼の①=彼の地(かのち)↔︎この地
告白してカップルになったばかりのその時は、二人きりだった。
「カメコじゃないなら霊の仕業!?」という疑念が生まれ、恐怖のあまり地獄のような空気になった。
「いや、肝試し中に告白されるなんて他に経験ないし、間違うわけないって!皆のとこに戻る時のことだよ。覚えてない?」
カメオは、二年前の思い出について、覚えている限りの記憶を全て話した。
その内容は、確かにカメコの記憶とも一致している。
ただ、一つだけ違うところがあるのだ。
「あの時、私は絶対シャツとか掴んでないんだってば!緊張してそんな余裕なかったし」
「でも、今も……」
そこでカメオの言葉が止まった。
カメコの左手はスマホ、右手に懐中電灯を持っている。
彼女の手はシャツに触れていない。なのに、裾を掴まれているような感触がある。
背中に冷たいものが走った。
「じゃあ……誰が、俺のシャツを掴んでるんだよ……」
「やだ、やめてよ……!」
二年前の告白は、肝試し中の廃校で行われた。
その時も今も、二人きり。カメコ以外にカメオのシャツを握る者などいるはずがない。
まさか、幽霊の仕業……?
その可能性に思い当たり、凍りつく二人。
パニックになったカメコがカメオに縋りつくと、突然冷たい空気が渦巻いた。
目の前に、ぼんやりと白い人影が浮かび上がる。
青白い肌に、蠢く長い黒髪から覗く目は空洞のように暗い。
不気味な女の霊が、カメオをじっと見つめていた。
『だ、レ……よ……その、お……んな……!』
敵意に満ちた目を向けられ、カメオにしがみつく腕に力を込めたカメコ。
更に怒りを煽られた霊は、カメコに向けて禍々しい憎悪を放った。
痩せ細った手を伸ばし、カメコの腕からカメオを奪おうと迫ってくる。
カメオは震える足を叱咤し、カメコを連れてその場から逃げだした。
追いかけてくる霊は、ぎこちない動きで廃校の壁をすり抜け、地面から這い上がるように現れる。
その目に睨みつけられると空気が凍りつき、息苦しい圧迫感が二人を襲った。
カメオはカメコの手を強く握り、庇いながら必死で霊の攻撃を掻い潜る。
霊の爪がかすった肩に痛みが走っても、ただひたすら走り続けた。
背後から響く怨嗟の声と重苦しい気配に追われながら、朽ちかけた校門を駆け抜ける。
停めていた車を見つけたところで、カメコの体力がついに限界を迎えた。
カメオは、カメコを気遣いながら後ろを振り返ったが、霊の姿は確認できない。
ふと気づくと、悍ましい気配も消え、静寂が二人を包んでいた。
後日、二年前の肝試しを企画したラテオに、霊に襲われた事を話した二人。
憔悴した彼らの様子に、霊を信じていなかったラテオも顔を強張らせた。
「マジか……あの噂本当だったのかよ」
数十年前、あの学校でウミコという女性が亡くなった。
ウミコは恋人と心中を図ったのだが、恋人の方だけ助かってしまった。
それ以来、恋人の姿を探す女の霊が現れるようになったという。
恋人と似た男を見ると服を引っ張ってくるが、決して目を合わせてはいけない。
目が合った者を恋人と誤認し、再び心中を遂げようとするらしく、何人か取り殺されたという噂もあるのだとか。
逃げ切れなかったら、カメオも同じ目に遭っていたに違いない。
廃校の敷地の外まで追いかけてこなかったのは、彼の地に執着する地縛霊だからだそうだ。
わざわざ行かなければ、危害を加えられることもない。
それを知った二人は、やっと安堵することができたのだった。
「……なんか、前にも増してべたべたしてないか?」
恐怖から解放された途端、べったりと寄り添いだした二人に、ラテオは呆れた目を向けた。
「だって、幽霊から守ってくれた時のカメオ、すごくかっこよかったんだよ!いつも温和なカメオが、あんなに頼り甲斐あるなんて知らなかった……」
「いや、俺も無我夢中で何が何だか覚えてないんだけど、カメコを失いたくないって気持ちが湧き上がってきてさ……やっぱり、自分の中でカメコの存在がいかに大切なものなのか、改めて実感したよ」
「なんだこいつら!二人仲良く爆発してしまえよ」
見つめ合う二人の甘ったるさに、悪態をついたラテオ。
付き合う前から二人を見守ってきた友人としては、微妙に喜ばしさも滲んでいたのだけど。
二年前の話。
https://late-late.jp/mondai/show/18552
彼の①=彼の地(かのち)↔︎この地
告白してカップルになったばかりのその時は、二人きりだった。
「カメコじゃないなら霊の仕業!?」という疑念が生まれ、恐怖のあまり地獄のような空気になった。
「いや、肝試し中に告白されるなんて他に経験ないし、間違うわけないって!皆のとこに戻る時のことだよ。覚えてない?」
カメオは、二年前の思い出について、覚えている限りの記憶を全て話した。
その内容は、確かにカメコの記憶とも一致している。
ただ、一つだけ違うところがあるのだ。
「あの時、私は絶対シャツとか掴んでないんだってば!緊張してそんな余裕なかったし」
「でも、今も……」
そこでカメオの言葉が止まった。
カメコの左手はスマホ、右手に懐中電灯を持っている。
彼女の手はシャツに触れていない。なのに、裾を掴まれているような感触がある。
背中に冷たいものが走った。
「じゃあ……誰が、俺のシャツを掴んでるんだよ……」
「やだ、やめてよ……!」
二年前の告白は、肝試し中の廃校で行われた。
その時も今も、二人きり。カメコ以外にカメオのシャツを握る者などいるはずがない。
まさか、幽霊の仕業……?
その可能性に思い当たり、凍りつく二人。
パニックになったカメコがカメオに縋りつくと、突然冷たい空気が渦巻いた。
目の前に、ぼんやりと白い人影が浮かび上がる。
青白い肌に、蠢く長い黒髪から覗く目は空洞のように暗い。
不気味な女の霊が、カメオをじっと見つめていた。
『だ、レ……よ……その、お……んな……!』
敵意に満ちた目を向けられ、カメオにしがみつく腕に力を込めたカメコ。
更に怒りを煽られた霊は、カメコに向けて禍々しい憎悪を放った。
痩せ細った手を伸ばし、カメコの腕からカメオを奪おうと迫ってくる。
カメオは震える足を叱咤し、カメコを連れてその場から逃げだした。
追いかけてくる霊は、ぎこちない動きで廃校の壁をすり抜け、地面から這い上がるように現れる。
その目に睨みつけられると空気が凍りつき、息苦しい圧迫感が二人を襲った。
カメオはカメコの手を強く握り、庇いながら必死で霊の攻撃を掻い潜る。
霊の爪がかすった肩に痛みが走っても、ただひたすら走り続けた。
背後から響く怨嗟の声と重苦しい気配に追われながら、朽ちかけた校門を駆け抜ける。
停めていた車を見つけたところで、カメコの体力がついに限界を迎えた。
カメオは、カメコを気遣いながら後ろを振り返ったが、霊の姿は確認できない。
ふと気づくと、悍ましい気配も消え、静寂が二人を包んでいた。
後日、二年前の肝試しを企画したラテオに、霊に襲われた事を話した二人。
憔悴した彼らの様子に、霊を信じていなかったラテオも顔を強張らせた。
「マジか……あの噂本当だったのかよ」
数十年前、あの学校でウミコという女性が亡くなった。
ウミコは恋人と心中を図ったのだが、恋人の方だけ助かってしまった。
それ以来、恋人の姿を探す女の霊が現れるようになったという。
恋人と似た男を見ると服を引っ張ってくるが、決して目を合わせてはいけない。
目が合った者を恋人と誤認し、再び心中を遂げようとするらしく、何人か取り殺されたという噂もあるのだとか。
逃げ切れなかったら、カメオも同じ目に遭っていたに違いない。
廃校の敷地の外まで追いかけてこなかったのは、彼の地に執着する地縛霊だからだそうだ。
わざわざ行かなければ、危害を加えられることもない。
それを知った二人は、やっと安堵することができたのだった。
「……なんか、前にも増してべたべたしてないか?」
恐怖から解放された途端、べったりと寄り添いだした二人に、ラテオは呆れた目を向けた。
「だって、幽霊から守ってくれた時のカメオ、すごくかっこよかったんだよ!いつも温和なカメオが、あんなに頼り甲斐あるなんて知らなかった……」
「いや、俺も無我夢中で何が何だか覚えてないんだけど、カメコを失いたくないって気持ちが湧き上がってきてさ……やっぱり、自分の中でカメコの存在がいかに大切なものなのか、改めて実感したよ」
「なんだこいつら!二人仲良く爆発してしまえよ」
見つめ合う二人の甘ったるさに、悪態をついたラテオ。
付き合う前から二人を見守ってきた友人としては、微妙に喜ばしさも滲んでいたのだけど。
二年前の話。
https://late-late.jp/mondai/show/18552
25年09月15日 23:00
[霜ばしら]
参加者一覧 4人
全員




相談チャットです。この問題に関する事を書き込みましょう。










ブックマーク(ブクマ)って?
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。
Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!
良質:6票ブクマ:2
自分が正解した問題・出題者への賛辞・シリーズ一覧・良い進行力など、基準は人それぞれです。
自分専用のブックマークとしてお使い下さい。
Goodって?
「トリック」「物語」「納得感」そして「良質」の4要素において「好き」を伝えることができます。
これらの要素において、各々が「良い」と判断した場合にGoodしていきましょう。
ただし進行力は評価に含まれないものとします。
ブクマ・Goodは出題者にとってのモチベーションアップに繋がります!「良い」と思った自分の気持ちは積極的に伝えていこう!