ほーん？鉄塔マンション

[慣れた人にお願いする][1人：∞人][パスワードあり][公開＆部屋解放] ちくたく天童 魔子 （ベース）
一昔前には賑わっていたラテラテ町だが、時は経ち、めっきりさびれていた。
そんなラテラテ町に、６０階建てのタワーマンションが建設されることになった。

そのすぐ近くに住むキイチは、複雑な想いを抱いていた。
マンションによって街の景観が変わったり、ビル風が吹いたり、日が当たらなくなったり、うるさくなったり…。
地域としては、賑わうというメリットもあるがデメリットも多いのだ。

しかし、実際に完成すると、キイチはマンションが出来てほんとうによかった…と思った。

いったいなぜ？

解説
キイチの家は、代々続く本屋だった。
本だけに限らず、地図や文具など色々なものを売っている。

しかし、立地が悪いのが難点で、西日にさらされることで本が痛みやすいのだ。
本が痛まない扉を閉めきりにすると、今度は客がこない。
そのジレンマに悩まされていた。

そんな中、キイチの家の向かいに大きなマンションが建った。
マンションが建つことで、キイチの家は日当たりが悪くなった。

しかし、それは「西日」の日当たりに限ったことだったのだ。

それにより、長年の悩みだった西日について心配する必要がなくなった。

キイチは思った。
「ああ‥本当に‥本等によかった‥」

要約
マンションが建つことで西日が入らなくなり、本等が痛みにくくなった


完成形

一昔前には賑わっていたラテラテ町だが、今はさびれている古い町だ。
そんなラテラテ町に、６０階建てのタワーマンションが建設されることになった。

そのすぐ近くに住むコンビニオーナーのキイチは
ほどなくしてマンションの外装のみが完成するとコンビニの売り上げが上がり「ほんとうに…よかった…」とキイチは心から思った。

しかし、売り上げが上がったのは、マンションの関係者や工事の業者が来ることが理由ではない。

ではなぜいったい売り上げが上がったのだろう？

解説
タワーマンションの外装が完成した時点で、ビルの周りには少しずつ影響が出ていた。
電波が受信しにくくなった、ビル風が吹くようになった、景観が悪くなった…などだ。

その中でキイチに大きく影響したのは「コンビニが日陰になること」だった。

一見デメリットに思えるが、元々キイチの店は西日が入ることに悩まされていた。
置いてある雑誌も傷むし、日差しが客にとっては不快なので、その点が不評だったのだ。

マンションが西日を遮ることになったため、キイチのコンビニは訪れる客にとって快適になった。
そのため、客足が増えて売り上げが上がったのだった。

雑誌などの本等も傷まなくなったし、売り上げもあがった。

「ああ…ほんとうによかった。西日で痛まなくなったから本等にとっても良かったなぁ…」
キイチはそう呟いたのだった。

マンションが西日を遮り、店の環境が良くなったから。