タイムトラベル

ついにタイムマシンの開発に成功した！
これで兼ねてより研究していたことが実践できる。

そう、タイムパラドックスの実験だ！

さすがに自分の両親を殺すことはできないが、結婚を妨害することはできるだろう。
両親が結婚しなければ自分は生まれてこないことになる。
しかし、自分が生まれなければ両親の結婚を妨害するものはいなくなり、
両親はつつがなく結婚へ至ることだろう。
そこには大きな矛盾が存在しているのだ。

早速カメオ博士はタイムマシンで過去にとび、
様々な手段を用いて若き頃の両親の馴れ初めに繋がりそうな交流を妨害した。

しかし、やれることをやり現代に戻ってきたカメオ博士であったが、
彼が消滅してしまうというようなことはなく、何も起こらなかった。
妨害は失敗したのか、もしくは自分が過去から去った後に両親は出会い、結局結婚へと至ったのか……
そう思いながら母に会いに行ってみたところ、母は見知らぬ男と談笑していた。

あれ、お客さん？　父さんは？

そう尋ねると、母はきょとんとした顔で言った。




「お父さんなら目の前にいるじゃない」





…………妨害は、成功していた。
過去へとぶ前の両親は結婚には至らなかった。

しかし、今ここに自分はこうして存在している。
ということは、目の前にいる知らない男こそ、自分の本当の……