殴れメロス

簡易解説
これが夢でありますように

解説
「走れメロス」で描かれたことが起こり、無事メロスは親友セリヌンティウスを救い出し、邪知暴虐の王を改心させることが出来た。

しかし、あの経験ほど死を間近に感じたことなく、命を賭けたこともなかったメロスは、その後も時々悪夢であの時の経験を見てしまう。


――――――
陽がまさに沈もうとした時、メロスは疾風の如く刑場に突入した。

そこに、あるはずの磔にされたセリヌンティウスの姿は無かった。

「王よ！約束と違うでは無いか！セリヌンティウスはどこだ！」
「愚かなメロスよ、儂がお前との約束を守るとでも思ったか？セリヌンティウスはもうすでに死んでおるわ」
メロスは絶望し、涙を流した。

ここで、これは夢ではないだろうかと思い至る。
そこで近くにいた王に頼んだ。
「私を殴れ」

そして王に殴ってもらったが全く痛みを感じなかった。

全て夢であることがわかったメロスは安堵した。


メロスは布団の上で目覚めた。