ゲームエンドバスタイム

カメオはレトロゲームが好きで、携帯ゲーム等ではなく古い機種のテレビゲームで遊ぶのが好きだった。
昔のゲームなので今のゲームのように自由にセーブができるというゲームは少ない。親もそれを分かっているので、無理にゲームをやめさせることは無かった。

だが、ある日事件が起こった。
いつものようにテレビゲームをしていたのだが、カメオの母親が風呂からあがってすぐ、停電が起こったのだ。
カメオの家の契約電力は低い。エアコンや電子レンジ、アイロンあたりの消費電力の高い家電を４つほど同時に使えば、簡単に停電してしまう。
そしてこの日はとても寒く、エアコンは欠かせない。さらに父親が電子レンジを使ったタイミングで、カメオの母親がドライヤーを使い始めたのだ。
一気に電力オーバー、消える画面、絶望するカメオ。次にゲームの電源を入れたときには、「誠に遺憾ですが、ゲームデータは消滅しました」というメッセージと共にカメオはうなだれた。

その日から、カメオの母親が風呂に入った後は、ドライヤーをつけたタイミングで停電することを警戒し、セーブしてすぐさまゲームをやめることにしたのだ。
ドライヤーを使い終わり、停電の心配がなくなった後、安心してゲームを始めるのであった。


そしてこの日、炊飯器とホットプレートと電子レンジのトリプルコンボにより、カメオのゲームデータは消えた。