バスと学級会

男子児童が提案したのは、小学校にスクールバスを導入すれば良いのではないかということだった。
確かに、スクールバスで登下校するようになれば、一般の乗客に迷惑をかけることも少なくなる。
しかし、それでは「マナーの悪さ」という問題の根本的解決にはならないため、担任は「そういう問題じゃないだろう」と渋い顔で彼を咎めたのだ。

しかし、その数年後、なんと、水平小学校は正式にスクールバスを導入することとなった。
勿論、導入に至った経緯については様々な大人の事情があり、決して男子児童の提案があったからという訳でないことは言うまでもないが、暫くの間、このことは元3年1組の児童らの間で大いに話題になったという。

しかし、結果的に一般の乗客からの苦情の数は減少したとは言え、スクールバスを導入だけでは児童たちの根本的なマナー改善には繋がらず、ついに校長先生による怒りの緊急全校集会が開かれることになったのは、また別のお話。